伸ばした手 2 (ページ48)

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｢あ、傘忘れた｣

いつも通り、センパイを迎えに行こうと歩き出した時、さっきみた天気予報を思い出して

家に戻ろうと向きを変えると向こうの通りからおばあちゃんが歩いてきた

今どき風呂敷で荷物を包み、それらを両手に抱えて辛そうな顔をしていて

｢大丈夫ですか？｣

と声をかけ荷物を持ち、一緒に歩いた

そのおばあちゃんの目的地は2つ隣街の病院で、

学校遅刻やな～なんて呑気に考えながら途中で放っておけずついて行った

結局病院に着いたのはお昼前

途中で遊具がない公園のベンチで腰をかけ、入院しているという息子さんの好きなオレンジを分けて食べたり

休憩を挟みながらだったからなのか

午後から降ると言われていた雨は午後になる少し前から降り始めた

もう少し時間が経てばいずれ雨からみぞれになっていくかもしれない

病院で降やむのを待っていようかとも思ったけど、降やむのは当分先のように感じて、取り敢えず走った

走ったんやけど、

途中声が聞こえた気がして

病院に来る時通った公園の木の下辺り

割と大きな木がドーンと立っているその下に雨の雫で少しふやけかかっているダンボールが置いてあった