伸ばした手 2 (ページ41)

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朝目覚めるといつもの白い天井が広がっていて、

寒さのあまり固まった体にムチをいれ起き上がると

目はまだ起きたくないと一瞬意識が飛びそうになる

小さい窓のカーテンを開けると白い息を吐きながら出

勤をするサラリーマンが行く道を急いでいる

そういえば昨日のニュースで明日はここ1番の寒さになると言っていたか。

いつもの癖で携帯を触ると

1件の通知があります。という文字

全身から血が抜けたようなとはこのことか、
震える指で通知をタップする

《ご飯置いてあるから食べてね。いつもごめんね。》

お母さんの口癖。

お母さんだ。

良かった。

大量の息を吐き出した時

私は呼吸を忘れていたことに気がつく

ほっとしたから。

連絡が来た方が安心するはずなのに。

事故。

事件。

それらの文字が私の頭から離れてくれなくて。

通知を見た時、私は最初に絶望的な感情が溢れ出していた。

だから。

未だ既読すらつかないメッセージ。それは一体どういう意味を表しているのだろう。