伸ばした手 2 (ページ37)

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｢え·····｣

俯いてしまいそうになった顔を反射的に上げると、

いつも忙しく私が起きる前に仕事に出かけている母だったら

今日あった出来事を少し面白くして話して、それをうん、うん、と相槌を打ちながら聞いてくれているときのような

そんな見守るような、優しく包んでくれる笑顔で私を見つめていた

用意してくれたお茶からは湯気が出ていて、

｢望な、いっつもAちゃんの話してんで、
センパイ可愛ええ！今日はセンパイが笑ってん～って、うるさいくらいにな｣

それを聞いて私は何を思ってるんやろ。

恥ずかしい。

お姉さんに今までの全て知られとるみたいで

·····けど嬉しいんやと思う。

いつも固くなってた私の頬が今は少しやけど自然に緩んだから

ピンク色のコップに手を伸ばし入れてもらったお茶を
熱さに気をつけながら飲むと、

心地よい温かさと少し濃い味に

思わず｢ふぅ｣とため息が零れる