撫子色【はんだくん】

5.中庭に呼び出し?わー青春だね。 ページ5

＊

「あの!!A先輩...っスよね?」
「うん、そうだけど。何、どうしたの?」

現在私、下級生に呼び出され中です。
もしかして告白?ついにモテ期?...まさかそんな。
だって相手女の子だよ?ここで百合咲かせる奴なんているわけないでしょ。

「A先輩って、あの...半田、君と仲良いんスよね?...もしかして、付き合っ」
「えっ、なになに?もしかして君、半田のこと好きなの?えージェラシー?そっかそっか、可愛いなぁ。それで私のとこ訪ねてきたの?」

え、ウザイ?いやいや今さらでしょ。
でも、話はうまいこと反れた。

「はぁっ!?いやいや私は好きじゃないし!!...ほら、隠れてないでアンタから言ってやんなよ!!」
「えっ、ちょっとジュリちゃんっ!」

身体がデカイ彼女の後ろから出てきたのは、小柄な可愛い女の子。
わぁ目クリックリ。モジモジしてるし超可愛いんですけどこの子。

「えっ、えっと...A先輩って、半田くんと付き合ってるんですか...?」
「よし、よく言った麻衣子!!」

そう何かワーキャー騒ぐ二人。
良いねぇ若いって。たった一つしか変わらないけど。

「いや、大丈夫。付き合ってないから安心して」
「え、ホントですかー!?やった、良かったぁ。...あ、あの、半田くんの好みとか知ってますか?」
「好み?ああ、タイプ?」

半田はオドオドしてて謙虚でよく勘違いして逃げる奴だからな。
その逆を言えば良いわけだ。
だから簡潔に言うと...

引っ張ってくれるという意味を込めて、

「グイグイ系の、素直な女の子じゃない?」
「グイグイ...?強引って事ですか?」
「んー...?まぁ多分」

我ながら無責任な発言だな、うん。すまん半田。
因みにこの偽半田のタイプは学校中の女子に広まり、肉食女子が増えたらしい。
よって、半田への被害は多くなる一方のようで。


「最近半田の顔がゲッソリしてきてる気がするんだが....誰だろうな、あんな噂流した奴」
「あ、その噂流した奴は知らないけど、半田のタイプ適当に言ったのは私だよ」
「ってお前かよっ」

6.え?達筆で手紙書いた?そりゃ分からんよ。→←4.私を語る川藤くん?いいえ貶してるだけです。

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