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10話 ページ12

とし「あっ、」

とし(怖い怖い怖い怖い。)

いざとなったら声が震える。
うまく喋れなくなる。

とし「ヒュ…」

声を出そうにも風を切る音しか出ない。
隣の虫眼鏡はこちらを心配そうな目で見ている。

虫眼「としくん…。」

膝に置いてある手に力が入る。

りょ「としみつ。信じて。」

とし「っ、あ、ん。」

としみつは虫眼鏡の方を向き。

とし「大丈夫。」

二人は貯めて、信じられないような言葉を発した。

「「俺らは、能力者なんだ。」」

「は?」と、余人の声が重なった。

そりゃそうだ、いきなり友達やら、兄弟やらが能力者なんだ。と言ったら誰しも驚くだろう。



とし「あーと、」
虫眼「てっちゃん、隠しててごめんね。
ちなみにこれドッキリじゃないからね。」


てつ(いや、としみつの"アレ"は嘘じゃなかった。

てことは、ほんとに、…)

そこまでを考えてやっと気づく。
二人がどれほどこれを隠してきたのか、



4人とも口を開かなかった。
空気に耐えられず、としみつが口を開いた。

とし「あ、と、そのこの時期
能力者売買が多くてさ、んでもって、今日虫さん攫われそうになってて、
助けたら、このざまだよ。」


「ははっ」と、乾いた笑いをする、張り付いた笑顔誰もが分かる。

りょ(無理してる。)と。


とし「あー。りょう、俺の事怖い?
てか、今更だけどこれからもみんなに迷惑かけちゃうよ。あー、うん、その」

りょ(違う、違うって。)

としみつはまた涙を流していた。
虫眼鏡も、ポロポロと涙が零れ落ちている。


虫眼「だからさ、辞めた方がいいかな。」

ぎこちない笑顔。震えてる手。
言葉を止めたら東海オンエアをやめられなくなってしまう。

だから、言葉を止めない。

虫眼「いや、やめた方がいいよね。
秘密にしてたもの。」


頬を伝って落ちる雫。
これ以上顔を上に向けてられなくて、下を向く。

虫眼(これでいいよなぁ。)

「ばいばい。」と言おうとした時、


「「「「それは、違うよ!!!!」」」」


四人の声にかき消された。

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(名前)(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2019年8月23日 15時) (レス) id: 589896bcf5 (このIDを非表示/違反報告)
琳寧冬月(プロフ) - 更新頑張ってください!!この小説とても好きです!!!!待ってます!! (2019年3月17日 23時) (レス) id: 9d24b8e5ff (このIDを非表示/違反報告)
朱呵 - 更新 頑張って下さい 応援しています (2019年2月7日 17時) (レス) id: b3be7eceb4 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)空々(プロフ) - ありさん» すみません。受験生でして、中々更新ができません。 (2018年4月11日 15時) (レス) id: aab0f67378 (このIDを非表示/違反報告)
あり(プロフ) - 続き、続きを…!! (2018年4月11日 3時) (レス) id: e35d63514a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空々(ココ) | 作成日時:2018年1月1日 1時

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