49話 ページ50
『けど姫は王子様の破天荒ぷりに嫌気がさしていました。』
「結婚なんてするんじゃなかった！出てく！」
「は！？んだとこらもっぺん言ってみろや！」
boom!と爆破を起こすバクゴー王子。
観客は思ってもいなかった王子様の登場に呆気とした後、ドッと笑いが漏れる。
掴みは完璧！
「隣国のショート王子の武道会に行くわ、さよなら！」
「行かせるわけねぇだろが。」
私の腕を掴む爆豪くんの瞳が、真っ直ぐと切なげにゆられる。
ん…？なんか最後に練習した時より上手くなってないか…？
やっぱ本番に強いタイプだ。
なんて思いながらセリフを続ける。
「離して！誰か私を連れ出して…！」
「姫、おともします。」
護衛の切島くんが、すっと私のことを引っ張る。
それに荒れ狂うバクゴー王子にまた会場が盛り上がる。
「悪役から始まる王子ってなんだよ〜！」
「姫かわいいね！」
そんな良い出だしのまま、劇は進んでいった。
武道会に向かう途中出会う旅の仲間達。
その人達はバクゴー王子に助けられた国の人で、そのエピソードを聞く中で心が揺らいでいく姫。
結局ショート王子の武道会についても、バクゴー王子に会いたい気持ちが募っていく。
「私、やっぱりバクゴー王子の所に戻ります。」
「…そうか。そば、持ってくか？」
キャーキャーと小声で騒ぐ女の子の声。
このセリフでこの黄色い声は、アイドルも顔負けだと思う。
そして切島くんに向き合う。
「ここまで来てくれたのにごめんなさい。
でもやっぱり私…あの人じゃないとだめみたい。」
「最後はそうなると思いながらついてきました。
姫に外の世界を見て欲しかったのです。バクゴー王子、なかなかいい人ですよ。」
「そうね。」
若干、本心を混ぜたり…なんかして。
微笑んで切島くんの手を取る。
こうして私たちはお城に戻って、バクゴー王子とクライマックス…
のはずだった。
「クソが離れろ！！」
ぐいっと引かれた私の体は、ぼすんっと彼の体に収まる。
突然の登場に観客はきゃー！！と盛り上がるが、台本と違う展開に私は焦った。
切島くんもみんなも硬直してる。
「こいつは俺のだ、誰にも渡さねぇ。」
爆豪くんはギッと睨んだ後、私に向き合いぎゅっと抱きしめた。
「…もうどこにも行くな。俺にお前を守らせろや。」
抱きしめる腕の強さに、思わず私はぎゅっと抱きしめ返してしまう。
「はい…。」
わあぁっと拍手が起こる。こんな結末は予定外だった。
A組もみんなポカーンとしつつ、アリなの！？と上鳴くんが暴れる。
それを見た瀬呂くんがニヤッと微笑んだ。
「アリなんじゃねーの、あいつららしくて。」
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おと。(プロフ) - チーさん» コメントありがとうございます！！更新遅れてすみません…！ぜひこれからも楽しんでいただからと嬉しいです！ (2023年1月27日 0時) (
レス) @page50 id: 4041acf31d (このIDを非表示/違反報告)
チー - このあとの続き気になります楽しみに待ってます(^ò▽ó^)♪ (2023年1月24日 22時) (レス) @page50 id: 0d525184d4 (このIDを非表示/違反報告)
ウェーイ - 楽しみに待ってます❗( ˶ˆ꒳ˆ˵ ) (2022年12月13日 7時) (レス) id: f97a453894 (このIDを非表示/違反報告)
おと。(プロフ) - ウェーイさん» こちらこそ返信遅くなってすみません！コメントありがとうございますーー！スマホ最高ですね✨続編までぜひお待ちください！笑 (2022年12月11日 11時) (レス) id: 4041acf31d (このIDを非表示/違反報告)
ウェーイ - すみません、idが違いますが、ウェーイです。iPadからスマホに機種を変えました。これからはコッチのidでコメントさせてもらいますね✨ (2022年12月6日 17時) (レス) id: f97a453894 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おと。 | 作成日時：2022年10月13日 21時
