38話 ページ39
そう冷たくいい放つそいつの顔。
あまりの冷酷さに、背筋がぶるっと震えるのがわかった。
「めちゃ私情でごめんね、じゃあね。」
ブンッと振り落とされるナイフ。
くるであろう衝撃にグッと身を構えた時__。
「爆豪くん！！！」
ドンっと突き飛ばされた体が、ザァッと地面を滑る。
ザクッ
「うッ…！」
あンのバカ…ッ！！！！
声を荒らげて名前を呼びたい、早く駆け寄りたいのに何も動けない。
グウッと声にならない声が、喉で響く。
俺が早歩きできて、置いてきてしまった。
この前はそれで後悔したが、今回は巻き込まずに済んでよかったはずだった。
ザクロスのナイフが腕にあたり、腕を抑えるそいつは、紛れもなくAだった。
見る限りそこまで深くない傷に少し安堵する。
「爆豪くん！私があまりにも泣きすぎるから怒ったの？ごめんね！！でも先行くのはやめてよ！」
ちげぇ。まったく関係ねぇ。
そして今言う話じゃねぇ！！
色々言いたいことがあるのに、「無視！？」と半泣きのこいつに少し気が緩む。
「…つくづく思うんだけど、君って弱そうに見えて強いよね。」
「なんの話よ！またあなたなの？
ケンタロスだがザクリンだが忘れたけど、私の大事な人を巻き込むのだけはやめて！！」
「ザクロスだ。」
目の前の光景に、頭が痛くなった。
それはともかく、まずい。
実質無個性の、ヒーロー科でもないこいつがザクロスに歯向かうことができるわけがない。
嫌な汗が流れる。
「爆豪くんを巻き込まないで！」
「巻き込まないも何も、俺はこいつに用があんの。ムカついたんだよ。」
「爆豪くんにムカつく要素なんてないじゃない！！
サラッとご飯のお金は出してくれるわ、映画後私が泣きやむまでそばにいてくれるとか、完璧なんだから！！」
「なんのことだ。」
いやこれに関してはマジでなんのことだ。
俺のことを熱弁するAに、こんな状況でも心に熱を感じる。
それと同様、体が動きたくて仕方なくなる。
俺のためにんな必死になるな。
危ねぇから逃げろ。
そう言っても、おまえは逃げないんだろうな。
だから俺は、お前のそういうところが嫌だった。
自分を大事に思う人がいることを知らないで突っ走っていく。
特別強いわけでもないのに、真っ直ぐに迷いなく走り出す。
俺にはそれが眩しかった。
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おと。(プロフ) - チーさん» コメントありがとうございます！！更新遅れてすみません…！ぜひこれからも楽しんでいただからと嬉しいです！ (2023年1月27日 0時) (
レス) @page50 id: 4041acf31d (このIDを非表示/違反報告)
チー - このあとの続き気になります楽しみに待ってます(^ò▽ó^)♪ (2023年1月24日 22時) (レス) @page50 id: 0d525184d4 (このIDを非表示/違反報告)
ウェーイ - 楽しみに待ってます❗( ˶ˆ꒳ˆ˵ ) (2022年12月13日 7時) (レス) id: f97a453894 (このIDを非表示/違反報告)
おと。(プロフ) - ウェーイさん» こちらこそ返信遅くなってすみません！コメントありがとうございますーー！スマホ最高ですね✨続編までぜひお待ちください！笑 (2022年12月11日 11時) (レス) id: 4041acf31d (このIDを非表示/違反報告)
ウェーイ - すみません、idが違いますが、ウェーイです。iPadからスマホに機種を変えました。これからはコッチのidでコメントさせてもらいますね✨ (2022年12月6日 17時) (レス) id: f97a453894 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おと。 | 作成日時：2022年10月13日 21時
