32話 ページ33
「相澤先生。」
「あぁ、七瀬か。」
職員室の相澤先生の席に行くと、相澤先生がパソコンから顔を上げて目をこすっていた。
お疲れのようだ。そしてかっこいい。
「あの、日曜日に外出許可を貰えませんか。」
「要件は？」
相澤先生の確かめるような声。
ここでデートです♡なんて言った物ならどうなることだろうか。
…まぁ、デートでもないんだけどね…多分。
「えーとー…文化祭の買い出し、です。」
これは事前に三奈ちゃんが直伝してくれた口実だ。
実際足りないものがあるから、映画のついでに買ってきて欲しいものを頼まれていた。
相澤先生はコーヒーを飲みながら一息つくと、自分の棚から紙を出す。
「ここに名前書いて、あと理由。そしたら提出してね。」
「あ、ありがとうございます！」
よし！通った！
紙を手にルンルンと職員室を後にしようとする。
「…七瀬。」
「？はい。」
「……外出の許可はするが、十分気を付けろ。前に外出した時のことも、爆豪に聞いている。」
その話を聞いて、私はハッとあの時のショッピングモールを思い出した。
あの雨の音が、ザーッと頭に蘇る。
「…本当は外出もさせたくないんだが。
敵もお前が動かない限り下手なことをしないそうだ。
それに警察も頭抱えてる。」
「……そう、なんですか。」
「それに授業を見てても、お前の個性の制御が効かなくなっているに見える。
それと反対に、個性が膨大に現れるようになった。」
相澤先生が指摘していること、それは間違いがなかった。
このまえのショッピングモールのあの大雨を始め、ちょこちょこ出てくる自分の個性が大きいものになっていた。
でもそれを制御することができなくて、混乱すると、また…という状況が少し増えた気がする。
この個性がもし、私が管理できないものになってしまったら…。
そう考えると背筋がゾワァとして、思わず腕をさすった。
「…まあ、お前には良い友達がたくさんいるようだな。
安心して楽しんでおいで。」
私の沈んだ表情を見かねてか、相澤先生が少し優しく微笑んでくれる。
良い友達…。
頭に浮かんだA組のメンツに、少し顔が綻んだ。
「…はい、ありがとうございます。失礼します！」
「廊下は走るなよ。」
少し元気が出た私は、小走りで職員室を駆け出そうとして、慌ててブレーキをかける。
それをみた相澤先生が笑っていて、私もそれに少し笑ってしまった。
廊下の窓から見える木から、葉が散っている。
もうすっかり、秋は通り過ぎようとしていた。
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おと。(プロフ) - チーさん» コメントありがとうございます！！更新遅れてすみません…！ぜひこれからも楽しんでいただからと嬉しいです！ (2023年1月27日 0時) (
レス) @page50 id: 4041acf31d (このIDを非表示/違反報告)
チー - このあとの続き気になります楽しみに待ってます(^ò▽ó^)♪ (2023年1月24日 22時) (レス) @page50 id: 0d525184d4 (このIDを非表示/違反報告)
ウェーイ - 楽しみに待ってます❗( ˶ˆ꒳ˆ˵ ) (2022年12月13日 7時) (レス) id: f97a453894 (このIDを非表示/違反報告)
おと。(プロフ) - ウェーイさん» こちらこそ返信遅くなってすみません！コメントありがとうございますーー！スマホ最高ですね✨続編までぜひお待ちください！笑 (2022年12月11日 11時) (レス) id: 4041acf31d (このIDを非表示/違反報告)
ウェーイ - すみません、idが違いますが、ウェーイです。iPadからスマホに機種を変えました。これからはコッチのidでコメントさせてもらいますね✨ (2022年12月6日 17時) (レス) id: f97a453894 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おと。 | 作成日時：2022年10月13日 21時
