31話 ページ32
「あ？」
文化祭準備の真っ只中。
台本と睨めっこする爆豪くんに、勇気を出して声をかけた結果、とてつもなく冷たい視線を受けています…。
爆豪くんの冷たい視線の先は、わたしが差し出した映画のチケットにある。
『愛と恋のトロイメライ〜君と僕の協奏曲〜』
なんともロマンチストな雰囲気のチケット。
今をときめく人気俳優と女優による激甘な恋愛映画だ。
最も泣ける映画No. 1と噂になってる。
ジーーー
…あまりにも見られすぎて、チケットに穴あきそうなんだけど…。
「…てめー俺に何か恨みでもあんのか？」
「いや、別にないけど…よかったら一緒に行かないかなって…チケットちょうど2枚あるし、余っちゃうし…どーかなってて。」
あはは、と乾いた笑顔を浮かべてみる。
嘘である。たまたまなのではなく、我らの部長芦戸三奈様がわざわざ手配してくれたチケットである。
「今このチケットとるのめっっちゃ時間かかるんだからね！？」と勢いよく渡された物だ。
爆豪くんのこいつ正気かって視線にいたたまれなさすぎて、すぐにこの場から逃げたくなる。
「や、やっぱ行かないよね！爆豪くん興味なさそうだもんね！？こういうのっ！
もっと誰か、…あ、轟くんとか！興味あるって言ってたし、誘ってみようかな〜っ、なんかごめんね！」
これもまた嘘である。
あながち間違ってないけど、この前の作戦会議の夜に轟くんは、「あ、俺もこれ興味あるんだ。姉さんが見たいって言ってた。」と言っていただけである。
でもなんとか逃げたい私はそそくさと適当な言い訳を並べてチケットをしまおうとする。
すると、がっとチケットを一つ抜き取られた。
「…ほんっきで行きたいんか？これ。」
「え、いや、まあ…。」
「けっ、いかにも女が好きな感じだわ。…明後日か。
10時からだから9時に玄関集合な。」
「……え？」
「寝坊すんじゃねーぞ。」
その時爆豪くんが遠くから上鳴くんに呼ばれて、キレながら向こうに行ってしまう。
私は一枚だけになったチケットをポカーンと見つめた。
「……爆豪くん……行ってくれるの…？」
爆豪くんの後ろ姿を見ながら呟いた私の声が1人でに響いた。
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おと。(プロフ) - チーさん» コメントありがとうございます！！更新遅れてすみません…！ぜひこれからも楽しんでいただからと嬉しいです！ (2023年1月27日 0時) (
レス) @page50 id: 4041acf31d (このIDを非表示/違反報告)
チー - このあとの続き気になります楽しみに待ってます(^ò▽ó^)♪ (2023年1月24日 22時) (レス) @page50 id: 0d525184d4 (このIDを非表示/違反報告)
ウェーイ - 楽しみに待ってます❗( ˶ˆ꒳ˆ˵ ) (2022年12月13日 7時) (レス) id: f97a453894 (このIDを非表示/違反報告)
おと。(プロフ) - ウェーイさん» こちらこそ返信遅くなってすみません！コメントありがとうございますーー！スマホ最高ですね✨続編までぜひお待ちください！笑 (2022年12月11日 11時) (レス) id: 4041acf31d (このIDを非表示/違反報告)
ウェーイ - すみません、idが違いますが、ウェーイです。iPadからスマホに機種を変えました。これからはコッチのidでコメントさせてもらいますね✨ (2022年12月6日 17時) (レス) id: f97a453894 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おと。 | 作成日時：2022年10月13日 21時
