＊ ページ10
＊
パッと気づくと、見知らぬ天井に、あの人の匂いがする掛け布団。きっとここは彼の家なんだ。
そう思ってキョロキョロしていると、「あ、起きた？」服を着替えた彼がヒョコッと現れた。
.
「君、寝ちゃってたみたいだから起こすのも悪くて連れて来ちゃった。勝手にごめんね？」
『いえ、そんな、全然…！』
「君も起きたし、家まで送るよ。教えてくれる？」
そう言った彼にビクリと体が震えた。
.
.
『っ………わ、からない』
「え？」
『…覚えて、ないの…。何もかも、全部…』
「…そっか。わかった」
.
助けてくれた彼に、大きな嘘をついてしまった。
後ろめたさに俯くと、彼が目の前までやって来て同じように座ったのが分かり、恐る恐る顔を上げるとニッコリと笑う彼と目が合う。
.
「俺はテヒョン。今日から君の家族だよ」
『え…っ？』
「君の名前は〜…うーん、そうだなあ…あ、決めた。」
.
.
「ソヨン、君の名前はソヨンね！今日からよろしくね、ソヨン！」
.
初めて笑顔で呼ばれた名前は全く違う名前。
それでも心は暖かくて…じわじわと何かが満たされていく気持ちになった。
.
.
.
それから数日が経った夜、テヒョンと街へ出かける事になった。
.
どこかへ行くたびにテヒョンは必ず、
「心配だから！」と大きな暖かい手で私の手を包んでくれる。それがとても幸せで、こうゆう事はいつか本で読んだ��恋人��達のするような事なんだと思うと、何故か余計に幸せな気持ちになった。
.
.
「あ…！ね、ソヨンあれ見て？」
何かを見つけたテヒョンが
私の手を引いていく先にあった物。
.
『…髪、飾り？』
「そう、ソヨンにすごく似合いそう！欲しいもの１つ選んで？」
.
そう言われて沢山の髪飾りをじっくりと見る。だけどどれも可愛いくて中々自分で決められそうにない。それに…
.
『テヒョンに、選んでほしい…』
「え、俺に？…いいの？」
『うん…テヒョンに、選んでほしい…！』
「あー…へへ、ありがとう。任せて、絶対ソヨンに似合う1番可愛いの選ぶから！」
＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 90人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蓮夢
| 作成日時：2019年5月6日 23時
