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︎︎
｢あれ、せんせー？今日やることは無いん？｣
｢…今日は君とやることがあるんだ｣
｢ふぅん。どっかいくん？｣
｢ウン｣
｢なら、手ぇ繋いでいこ｣
｢ウン｣
Aはちらりと隣を見た。何にも興味のなさそうな光のない大きな瞳をどこか遠くに飛ばすその子を見てふう、とちいさく息を吐く。
仕事中はあんなに無邪気に騒ぐのに、なんてぼんやり考えながらも足を動かしている。
｢……せんせーはさあ｣
｢ン、なに？｣
｢俺の事、すき？｣
何気なしに聞いたであろうその質問に言葉が詰まる。そんな言葉教えたか？いや教えていないはず。一体どこで？なんてぐるぐる思考を回した
｢…はよ、こたえてよ｣
｢ウン、すきだよ。すきじゃなければ手なんか繋がない｣
｢ソ、次返事遅れたら俺おこるから｣
傍から見れば幼子の可愛らしい拗ねなのだがそうもいかないのはこの子がそれほど幼くは無いからなのだろうな、と思いながらも ウン、ゴメン。と応えて頭をひとなでする。
けれどもそんなに単純じゃない、とこれまた大人のニンゲン顔負けの力で背中を殴られるものだから、折られる前に機嫌を直そうと考えた。
Aは白衣のポケットからはちみつレモンの飴玉を取り出し、その子のくちに ころん と入れてやれば渋々といった様子で拳を収めてくれた為安堵からまた ふう、とため息をついた
｢フン。…で、どこいくん、これ。ここ、来ちゃダメやでって言っとったところよな｣
｢ウン。ここはキミ以外にもいるからね、毎日仕事を待つだけじゃあつまらないだろうと思ったから紹介しようと思って。｣
｢ふぅん……。でも俺疲れたんやけど｣
｢……甘えたいだけでしょうに｣
｢せんせーうるさい｣
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