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叔父さんと海が広がるコンクリートの港に出ると、家紋の入った数台の黒い車とバイクが止められていた。

「A!」

「大丈夫、?」

駆け寄ってきた良平くんと亜嵐くんに小さく頷くと、亜嵐くんに背中を押され車の方へ促される。

後方で会話していた叔父さんと良平くんを見と、頷いた良平くんが背を向けコンテナの通路の中へと消えた。

「乗って、」

亜嵐くんにドアを開けられ静かに後部座席に乗り込もうとすると、

「A、」

こちらに戻ってきた叔父さんに名前を呼ばれ、振り向く。

「大丈夫か、」

確認するような声色に頷くと、私の頭を叔父さんの大きな手が撫でた。

「そばにいてやりたいが、やらなきゃいけないことがある」

『…』

「少しの間、家で一人で待てるか?」

『…』

叔父さんの言葉に唇を噛み、スーツの裾を握る。

「…会社に誰いたっけ?」

「川村達です」

そう返答する亜嵐くんに私を見て、

「会社で待つか?」

『…』

川村の顔は知ってるな?と私を覗き込む叔父さんに俯いたまま小さく頷く。

「本部まで送ってって。川村達には連絡しておく。暫く亜嵐も傍にいてやってくれ。落ち着いたら、そのまま港北の事務所に来い。」

「はい」

スーツの裾を握る私の手に、叔父さんの手が優しく触れた。

「すぐ戻るから、川村達と待ってて。」

そう告げる叔父さんのスーツからゆっくりと手を離すと、

「いい子だ、」

私の頬をそっと撫でて、微笑む叔父さん。

亜嵐くんに促され後部座席に乗り込むと、静かにドアを閉められる。

ドアを隔てた外で、コンテナの山へと足を向けた叔父さんが、振り向き亜嵐くんに何かを呟く。

頷いた亜嵐くんの、港湾の鈍い明かりに照らされた目が一瞬、鋭い色を宿した。

叔父さんに一礼し、亜嵐くんが運転席に乗り込む。

「A、大丈夫?気分悪かったら直ぐに言えよ?」

後ろを振り返り、心配そうな顔を浮かべるいつもの亜嵐くんの様子に小さく頷くと、滑るように車が走る。

「亜嵐くん、」

「ん?」

『…みんなお家にいないの?』

「…うん」

『…亜嵐くん、』

ーみんなはあの奥にいるの?ー

ーあの男の人達どうなったの?ー

胸の中の疑問を口に出すのは憚られた。

口に出してしまったら、亜嵐くんはまた、あの冷たく鋭い色を瞳に宿してしまいそうで。

『ごめんね、』

誤魔化すように呟き、静かに視線をあげると、

「…」

感情の読み取れない、亜嵐くんの無機質な瞳と、バックミラー越しに目があった。

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やぁ(プロフ) - こんばんは。はじめまして!この作品が大好きで何度も読ませて頂いております。9のパスワードを教えていただきたいです。よろしくお願い致します! (4月8日 23時) (レス) id: afb0f19d33 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - こんばんは🌃いつも楽しく見させて頂いています。9のパスワードを差し支えなければ教えて頂けないでしょうか? (1月3日 21時) (レス) id: 9ba221d380 (このIDを非表示/違反報告)
うゆ(プロフ) - はじめまして。この作品が大好きで何回も読ませていただいております!もし、差し支えなければ9のパスワード教えていただかないでしょうか? (12月16日 16時) (レス) id: 8ef99b4bc6 (このIDを非表示/違反報告)
博子(プロフ) - 続きが読みたいので、パスワードを是非教えて下さい! (9月17日 7時) (レス) id: dc8dec8862 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 初めまして。最近この作品と出会って一気に読ませていただきました。続きはもう読めないのでしょうか? (7月14日 10時) (レス) id: 222fa2acf1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:jiu. | 作成日時:2019年6月2日 20時

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