▽ ページ45
部屋に入ってきた広臣くんは、ベッドの傍に近づき紗羽の蒼白い顔を見下ろす。
「親のために股開いたのかって聞いてんの。」
『ちょっと、』
広臣くんの様子に思わず声が零れる。
『何でそんなこと聞くの？紗羽がどんな目にあったかなんて見れば、』
「黙ってろ」
『っ、』
紗羽を見下ろしていた広臣くんが私に視線を向けた。
その射抜くような瞳に言葉が詰まった。
「こいつに聞いてんだよ」
紗羽を顎で指し、再び紗羽に視線を移す広臣くん。
「答えろ」
「…っ、売ってない…」
青白い顔のまま蚊の鳴くような声で紗羽が呟く。
「…」
「ちゃんと、断った…そしたらっ、…！」
小さく震え出した紗羽の白い手に自分の手を添える。
『紗羽、』
そっとその手を握ると深く息を吐く紗羽。
「へぇ、」
静かな部屋に広臣くんの低い声が響く。
「体は売ってない、断ったらヤられそうになった、そういうことだな？」
「…」
広臣くんの言葉に再び体を震わせた紗羽の手を摩る。
『紗羽、大丈夫。もう何も言わなくていいから。ね？』
私の言葉に紗羽は力なく頷いた。
『…』
こんな時にこんな質問するなんて。
広臣くん、ありえない。
『…出てって』
未だに紗羽を見下ろす広臣くんを見上げる。
『本当に何考えてるの？』
「…」
冷たい視線が静かに私を貫く。
『こんな状態の紗羽にそんなこと聞くなんて信じられない…！出てって！』
「…」
私の言葉に、広臣くんは静かに目を伏せ、踵を返して部屋を後にした。
『本当、ごめんね』
「ううん」
『…ちょっと休んでて？』
紗羽の背中を摩り、煮え切らない広臣くんの態度に怒りが治まらなかった私は、そのまま出ていった彼の後を追う。
『広臣くん！』
廊下を歩く彼を呼び止めるとゆっくりと振り向いた。
『何、さっきの』
「何が」
『あの質問。なんでわざわざあそこでするの。』
睨みつけるように見上げる私を、無表情で見返す広臣くん
「別に。確認しただけ。」
その無表情か吐き捨てられ言葉に思わず顔が険しくなった。
『確認って？わざわざ？何を？』
憤慨する私を感情が読み取れない瞳で見下ろした広臣くんは
「状況」
『っ、』
飄々と答える彼に怒りの気持ちが込み上げる
『状況なんて見たら分かるでしょ！』
語気を荒らげると、私を見る広臣くんの目が僅かに細まる。
「…だな」
そのまま踵を返し廊下を去っていく広臣くん
『なんなの、』
その背中を見つめ、呟いた声は怒りで震えていた。
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やぁ(プロフ) - こんばんは。はじめまして！この作品が大好きで何度も読ませて頂いております。9のパスワードを教えていただきたいです。よろしくお願い致します！ (4月8日 23時) (
レス) id: afb0f19d33 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - こんばんは🌃いつも楽しく見させて頂いています。９のパスワードを差し支えなければ教えて頂けないでしょうか? (1月3日 21時) (レス) id: 9ba221d380 (このIDを非表示/違反報告)
うゆ(プロフ) - はじめまして。この作品が大好きで何回も読ませていただいております！もし、差し支えなければ9のパスワード教えていただかないでしょうか？ (12月16日 16時) (レス) id: 8ef99b4bc6 (このIDを非表示/違反報告)
博子(プロフ) - 続きが読みたいので、パスワードを是非教えて下さい！ (9月17日 7時) (レス) id: dc8dec8862 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 初めまして。最近この作品と出会って一気に読ませていただきました。続きはもう読めないのでしょうか？ (7月14日 10時) (レス) id: 222fa2acf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：jiu.
| 作成日時：2019年6月2日 20時
