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ワークライフバランス ページ10

敬浩side


『なんだこれ…』


10分前に届いていた通知を開くと、トークルームのメッセージには相原紗羽とその母親らしき人物の連絡先が乗っていた。


相変わらず直人くんは仕事が早いな、と思いながらベッドに寝転がる。


“情報ありがとう。で、Aは?”


そう返信した瞬間、再びメッセージが届いた。


“敬浩さん、今家ですか?”

淡々した内容を淡々とした表情で打ってるんだろう、想像できる登坂のメッセージに顔を顰める

“家にいるけど!Aは!?”

こいつら、なんなの?Aどうしたの?!

“そのことで話があるので、家にいてください。”

そのメッセージを読んだ瞬間、駐車場に車が入ってくる音が聞こえた。

…来るの早ぇーよ。


『なんだっつーんだよ、もー』

一人ぼやきながら、ベッドから起き上がり、部屋を出る。

俺今日休みなんだけどなぁ。



────────



「お疲れ様です」

大広間に入ると頭を下げる岩ちゃん、うん、躾ができたいい子ね。

登坂っちも頭下げてるけどもうちょっと笑え。まぁ無理か。


「お疲れ様です」

『ねぇ、直人くん…俺今日休みだよ?』

苦笑する俺にごめんね、と困ったように笑う直人くん。

「Aのことでちょっと話があって…。Aなかなか帰ってこないから、迎えに行ったんだけど…これ残して消えたって紗羽ちゃんが。」

差し出されたのは見覚えのある字で書かれたメモ。

『…』

その内容に、思わず心臓が脈打った。

「この、“一人になれる場所”って、敬浩くん、どこか分かる?」

俺を見てそう尋ねる直人くん。

…へぇ、さすがだね、良い勘してる。

『何で俺が知ってると思うの?』

無表情を浮かべた俺に直人くんは小さく笑った。

「田崎さんは、Aのことを俺達よりもよく知っていると思ったので。」

この家では見せない、彼が仕事の時によく見せる顔を静かに見つめる。

『…で、何で俺?アキラさんとかマキさんも、Aと出会ったのは同じ時期だよ?』

「…以前、会長にAが田崎さんに最初に懐いたと聞きました。


…二人で過ごされた時間が多かった分、Aのことは、誰よりもよく知っていらっしゃるのではないかと。」

うーわ、怖ぇ男。

やっぱり片岡はこうじゃなくちゃね。


『それ、俺にAを探しに行けって行ってんの?』


片岡にそう言った瞬間、大広間の襖が開いた。

▽→←▽



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happytaimama(プロフ) - 今晩は。こちらの作品何度も読み返して読ませてもらっています。続きを読みたいので、パスワードを教えていただけますか?宜しくお願いします。 (2月16日 18時) (レス) id: 4f1df4c5a4 (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - 感動しました。 (2020年12月16日 14時) (レス) id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
梨紗(プロフ) - もう更新はないのでしょうか……? (2019年1月25日 23時) (レス) id: 5703e26db8 (このIDを非表示/違反報告)
м i i(プロフ) - 続き楽しみにしています!! (2018年12月28日 1時) (レス) id: 223aa4411e (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - 待ってますすすすby mj (2018年12月24日 18時) (レス) id: 866e6acc2f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:jiu. | 作成日時:2017年11月22日 11時

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