記憶 貴方視点 ページ3
「おーいキヨーサッカーしようぜ！！」
「おうよ！フジとヒラもするか？」
「俺する！」
「僕も！」
私はその会話を高台から見ていた。
中二なんてサッカーやら野球やら運動がしたくなる頃。
それにしても2対2だから迫力なんてものはない。
ただ持ってきたミニコーンを置いてそれをゴールにするだけ。
まぁそれもそのはず、高台が一つにすべり台一つ。
そして広いとはいえない砂の広場。
サッカーゴールなんて入るはずない。
「はぁ...またいるよ。広い場所行かないのかな」
私はそんな言葉を漏らす。
なんて言ったって私はこの4人が嫌いだ。
理由はとくにないけどうるさいから。
静かな方が好き。
それに自分も運動したいと思ってしまうから。
私はお母さんが厳しく勉強しなさいと言われてきた。
小さいころから家の近くではボールを使って遊ぶ人が沢山いて羨ましいと思っていた。
だからその分学校で体を動かしたんだ。
「Aちゃん！シュートお願い！」
ボールが回ってくる。
ゴール前はがら空きでいとも簡単に入れられる。
「ナイス！」
みんなはハイタッチを求める。
それが楽しくて仕方がなかった。
私は意外と見ていたこともあってかサッカーの能力には恵まれていた。
だけどある日三者面談があった。
「お母さんAちゃんは運動が好きなんですね！とても頑張っていて凄いです！」
そのことは言っちゃいけないのにと思っていたけどもう遅かったんだ。
お母さんのテンションはだだ下がり。
勉強のことで褒められていた時とは大違い。
今にでも私に怒りたそうにしている。
それくらいいいじゃない。
「A！！なんで体育なんか頑張るの！それで勉強の成績落ちたらどうするの！！」
ヒステリックな声で私を罵倒する。
「ごめんなさい。」
私はそれしか言えない。
逆らっちゃいけない。そんなことは分かっていた。
それ以降運動に対する意欲は消えた。
あぁこの人達みたいにはしゃげたらな。
その日は嫌なことを思い出し鬱になったので帰った。
でもそれは日課になってしまいそれから１ヶ月ずっと君たちを見ていた。
でもそれはいつしか悲劇を巻き起こす。
中3の夏。
「なぁお前いつもあの公園になにしに来てんの？」
それはきっとキヨって、人なんだとおもう。
「貴方達を、見ているだけ。」
ここでちゃんと言っておけば良かったのかもしれない。
「うわやっぱり？やめてくんストーカー女なの？」
大声で言わないで
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作者名：茶丸 | 作成日時：2017年7月16日 16時
