幼馴染の彼は、私にだけ冷たい。《黒》

冷たい…5 ページ5

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「えっと、なんで来たの…？」

「…逆に来ちゃダメなの？」

「いや、そういうことじゃなくて」








リビングのソファに座らせると、れんは周りをキョロキョロと見渡す。

そっか、れんも私の家に初めて来たのか。


適当にあった麦茶を出して、私はれんから離れた1人がけ用の椅子に座った。

ずっと、ずっと沈黙だからテレビをつければ、れんはこっちを見て機嫌が悪そうにまた目をそらす。


…なんかそれ、怖いんですけど。








「急に、どしたの」

「…」

「ねぇ、」

「…別に」









何か言いたげに下唇を噛むから、せっかちな私は黙っていられなくて。

「なにかあるならはっきり言って」と立ち上がれば、れんは少し申し訳なさそうにこちらを見る。








「なんか、ごめん」

「…あのさ、」







れんの低い声が、私の耳を通り抜ける。

脳の中へと侵入してきたその低い声。


その声に続いて出てきた言葉は、








「…お前、なんか幸薄そう」

「…はい？」








久しぶりに見たその綺麗で、優しそうな微笑み。

だけど、その微笑む口から出てきた言葉はなんだかよくわからなくて、私を混乱させるには十分だった。








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