冷たい…27 ページ27
﹣
「…ぉ疲れ様でした、…」
おつかれー、と気の抜けた声がいくつか聞こえる会社を出て、随分暗い夜道を歩く。
ぼやぼやとした視界が私を襲う。
暖かい何かが目の奥を流れる気がして、まんまるお月様を見上げる。
ずっと、ずっと、想っていた。
れんとベランダで話している時だって、ソファでテレビを見ている時だって、前澤さんが笑っているのを見た時だって、いつだって私は想っていたのだ。
れんに気持ちが傾きかけた時だってあったはず。
でも私は、前澤さんを選んだ。
「…っ、好きだったんだよ…」
もう、好きじゃない。
この気持ちに、蓋をしなきゃ。
そんなとき、ポケットに入っていたスマホが震えた。
「…もしもし、」
誰が掛けてきたなんて分からずに、声色も暗いままで電話に出る。
いっそ、仕事を任された方がいい。
明日の朝まで終わらないような、仕事を押し付けて欲しい。
それなのに、
それなのに。
〈「……そんな声出して、…なんかあったの、」〉
どうして、電話の主はこんな優しい声を出すんだろう。
まるで私の心をそっと抉るように、それはそれは優しい声で私に問い掛けた。
でも、今はそんな優しさに甘えたくないのだ。
顎がガクガクと震えて、涙が出そうになる。
「…なんもないよ。大丈夫。…今日は9時ね、？」
ぷつ、と半ば強引にれんとの電話を切る。
月がアスファルトを照らして、頼りない街灯はバス停を照らして、私の持つスマホは、私の力の入らない指を照らしていた。
車通りが多いこの通りは珍しく車がそれほど通っていなくて、時が止まってこの世界に私だけが取り残されたような、そんな寂しい気分になった。
﹣
え、重くね？((
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ふぃーる(プロフ) - ましゅまろ。さん» ありがとうございます！冷たい目黒さん最高でしたか！続編頑張って書きますー！ (2021年1月16日 18時) (
レス) id: c92ee0090a (このIDを非表示/違反報告)
ましゅまろ。(プロフ) - 完結おめでとうございます！！冷たい目黒さん、w 最高でした！！ 続編楽しみにしてます！！ (2021年1月16日 15時) (レス) id: beff30bc3f (このIDを非表示/違反報告)
ふぃーる(プロフ) - 瑠乙さん» すみません！！Twitterは消してしまって、、、紛らわしいので表記も消させていただきます！わざわざすみません！m(_ _)m (2021年1月16日 0時) (レス) id: c92ee0090a (このIDを非表示/違反報告)
瑠乙(プロフ) - Twitterをフォローさせて頂きたいのですが、コピーして検索しても出てきませんでした（ ; ; ）私だけでしょうか、、？ (2021年1月15日 22時) (レス) id: 40498c4f11 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃーる(プロフ) - ふさん» コメントありがとうございます！ゆっくりですが頑張っていきますね！ふさんもファイテン☆です！笑 (2020年11月29日 22時) (レス) id: c92ee0090a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふぃーる
| 作成日時：2020年10月18日 17時
