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第1話 ページ2
_____貴方の生きる意味は何?
わからない
_____貴方の大切なものは何?
わからない
_____なら貴方は...
｢ｯ…!夢か…｣
また嫌な夢を見た｡
カーテンの隙間から指す光がやけに眩しく感じる｡
幼い頃から見るこの夢はやっぱりまだ慣れなくて…
冷たい何かが頬を伝ってシーツに染みを作る｡
｢あぁ…私,泣いてるんだ｣
自らの口をついた言葉はあまりにも淡々としていて,まるで他人事のようだった｡
ふと時計を見ればもう起床しなければいけない時間で鉛のように重く感じる身体を起こして支度をした｡
洗面所へ向かい顔を洗えばほんの少しだけ身体が楽になった気がした｡
鏡に映る自分の姿を見れば忌々しい2色の瞳が見えた｡
｢バケモノ…か｣
幼い頃から言われ続けた言葉｡
もうそんなことを言われても傷つかない｡
ううん｡違う｡
"傷つく"ということが何なのかわからない｡
凍った心は何も刺さらないし,何も感じない｡
いつも通り黒のカラコンを入れウィッグを被れば完璧｡
今日から美鷹高校で新しい生活が始まる｡
どうやら,美鷹高校で転校生というのは特例らしくてなんだか面倒な予感はするけれど
いつも通り
淡々と
坦々と
人形のようにいればいい｡
真新しい制服に腕を通して教科書でパンパンになった鞄を持ち,家を出た｡
この時の私はまだ色のついた世界を知らないまま…
続く (更新停止中)
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作者名：ぽったー | 作成日時：2016年6月23日 14時
