06 ページ7
電車内で遭遇した女子は耳郎響香と名乗った。彼女もAのことを覚えておりお互いの合格に喜んだ。
｢そういえば結輝の個性って何？髪の毛とかキラキラしてるし…異形型とか？｣
｢うん、俺の個性は宝石。体がアクアマリンで出来てるんだ。身体能力も一般人より格段に高いけどなかなか謎の多い個性なんだよ。｣
｢へぇ〜お洒落な個性！増強型も併せ持ってんじゃない？｣
｢……併せ持つ、か…。あ、耳郎の番もうすぐじゃない？｣
ほんとだ、ありがとうと片手を上げて耳郎は走っていった。Aは彼女の言った併せ持つという言葉に首を傾げた。個性は血によって受け継がれる。だがAに親はいない。自分の持つ並外れた身体能力は個性とは違うものだと思っていた。集団生活のうちに個性の一言では説明できない時が来るかもしれない、と不安がよぎる。
｢次、結輝並べ｣
随分と考え込んでいたらしい。さっき耳郎が並んだと思ったらもう最後のAの番だ。軽く足首を回してスタートラインへ着く。
｢4秒81｣
個性なしでこのタイム。上出来である。
その後の種目も半分以上に食い込む記録をたて続けた。
特筆すべきは持久走である。晴れた天気という事もありエネルギーを補給しつつ早いペースで走れた為半ば永久機関と化しクラス１位に輝いた。
途中で入試の時倒れていた男子、緑谷がリスキーな個性のため一悶着あったがそれ以外問題なく計測を終え、結果発表。
除籍は合理的虚偽である、と通告され半数以上は衝撃を受けていた。Aもである。表示された順位は4番。飯田という生真面目そうな生徒と同着だ。
他人の個性をまじまじと見れ、結果も良かったためご機嫌で着替えていると、
｢な、なんでお前…そんなに股間ぺったんこなんだよ……！！！｣
左下から飛び出した直球な質問に若干引く。声の主は反復横跳びで凄まじい成績をたたき出していた峰田である。減るもんじゃないがそんなにガン見しないでほしい。
｢珍しいけど俺、性別ないんだ。個性の関係で老廃物も出ないから風呂もトイレも無問題だしあんまり気にしないでくれていいんだけど…不快にさせたならごめんね？｣
その一言に峰田は生唾を飲み込み、
｢こ、…今度ブルマ持ってくるから履いてくれ…！｣
｢いや落ち着け？手をワキワキするな？？｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 288人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あかや - とても面白かったです！更新待ってます〜！ (2020年12月15日 13時) (
レス) id: 51d8bbe764 (このIDを非表示/違反報告)
ぱすてる - とてもよかったです(´；ω；｀) (2020年4月19日 18時) (レス) id: d34f4e9add (このIDを非表示/違反報告)
八百(プロフ) - みんなが名前を呼んでるとこでちょっと涙出ちゃいました…更新待ってます！ (2019年3月29日 21時) (レス) id: db047f61b6 (このIDを非表示/違反報告)
音春(プロフ) - 更新頑張ってください！(受験勉強も) (2018年12月1日 17時) (レス) id: f210cca1fd (このIDを非表示/違反報告)
星を見守る砂岩(プロフ) - すごく面白いです！更新頑張ってください！ (2018年11月16日 21時) (レス) id: 5a8ebe94bd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さも | 作成日時：2018年2月9日 2時
