09 ページ10
全ての戦闘訓練が終わり、オールマイトからのまとめを聞き解散となった。
教室に戻っても皆まだ興奮冷めやらぬ様子で互いの個性について語り合ったり戦闘のダメ出しをしあっている。だがAはその中に入っていく元気はなかった。
轟との立ち合い。
もしオールマイトの終了宣言が無かったらAの拳から突き出た氷片は真っ赤に染まっていただろう。
大変なことである、と頭を抱え込む。
施設での戦闘訓練はほぼ実戦を想定していた。最近はそうではなかったが、自分の所存がしっかりと決まるまでは実践兵器としての運用も想定して血なまぐさい戦闘訓練も強要されたのである。その経験がもし生かされてしまったとしたら。ヒーローになるというどころの騒ぎではない。凍結処分がいいところだ。
早急に何とかこの戦い方を変えよう。思考を纏めたところでふと影が落ちる。
｢落ち込んでるのか｣
｢…まぁ。危ない目に合わせたし、ヒーローのする戦い方じゃない。｣
俯いたまま、ぽそぽそと答える。
｢俺は怪我してない。だから落ち込むより先に安全な戦い方を練習した方がいいんじゃないか？｣
思わず顔を上げる。轟はこちらを向いておらず、もう帰る準備を始めている。
助言などするタイプじゃないと思っていた。
｢言われなくても！！｣
勢いよく椅子を引いた。予想以上に出た声に周りの目が集まるがAは気にしなかった。
轟はリュックを持ち、こちらを振り向かずに教室から出ていく。
(言われなくてもヒーローらしい戦い方を身につけてみせるよ！)
Aもすぐに荷作りをする。切島から反省会しないか、と声をかけられたがかるく断っておいた。
反省点はもう十分に分かっている。たったの3年間の学校生活、時間が惜しい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 288人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あかや - とても面白かったです！更新待ってます〜！ (2020年12月15日 13時) (
レス) id: 51d8bbe764 (このIDを非表示/違反報告)
ぱすてる - とてもよかったです(´；ω；｀) (2020年4月19日 18時) (レス) id: d34f4e9add (このIDを非表示/違反報告)
八百(プロフ) - みんなが名前を呼んでるとこでちょっと涙出ちゃいました…更新待ってます！ (2019年3月29日 21時) (レス) id: db047f61b6 (このIDを非表示/違反報告)
音春(プロフ) - 更新頑張ってください！(受験勉強も) (2018年12月1日 17時) (レス) id: f210cca1fd (このIDを非表示/違反報告)
星を見守る砂岩(プロフ) - すごく面白いです！更新頑張ってください！ (2018年11月16日 21時) (レス) id: 5a8ebe94bd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さも | 作成日時：2018年2月9日 2時
