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ぴしり、とAの体に亀裂が入っていた。
敵の黒い影が完全に空間から消え去ると同時に片膝をついた小さな衝撃でAの体は細かく砕け散る。
(また…襲撃が……!?)
焦ってのぞき込む緑谷の顔以外目で捉えることが出来ず、そのまま狭い視界も暗く閉じ始める。
結局マトモに活躍できてないな…
自嘲と共に意識は途絶えた。
｢知らない、天井だ｣
体が動かせるとわかってすぐに上半身を起こす。
コスチュームは脱がされて簡易病衣を着せられている。割れた全身は綺麗にくっつけられてなんの違和感もない。静かな保健室。最後にAが割れたのはさらなる襲撃だったのか疑問に思ったが、何にせよ自分が回収されて直された後なら今回の事件は一段落ついたのだろうと納得した。
｢あぁ、起きたのかい。調子はどうだい？｣
声の方向へ振り向く。
｢あんた丸1日寝てたんだよ。今日は臨時休校さね。しばらくして落ち着いたら家にお戻り。はい、よっちゃんイカだよ、手出しな。｣
｢…イカ…ありがとうございます。あの、襲撃が終わったと思った後に俺は割れたはずなんですがもしかして敵の追撃があったんですか…？｣
リカバリーガールはあぁそれね、
｢加勢に入ったスナイプ先生の流れ弾の1つに被弾して割れたみたいだよアンタ。先生が申し訳ないって言ってたよ｣
と告げる。襲撃ではなかったことに胸を撫で下ろす。
｢いえ、俺も敵の至近距離にいたので…先生に無事だったこと報告してから帰ります。｣
そうしなね、明日からは普通に学校あるから元気においで。と一声かけてリカバリーガールは奥に入っていた。手に乗せられた駄菓子の包装をピラピラと振る。生憎と消化器官が無いため明日切島に引き取ってもらおうか。
そこでふと気がつく。
切島をはじめクラスメイトに自分が砕けた所を目撃されている。いくら個性社会、敵による悪辣な犯罪が多発していても人の形をしたものが砕け散る瞬間など見てはトラウマになっていないか。いやもっと露骨に言えば砕けてなおピンピンしている自分を見て怯えられるのではないかとAは心配する。
(せっかく馴染んできたところだってのに…情報を売ったりはしないだろうけど流石に不安…)
その日の夜は寝つきが悪く何度も起きた。
異物への徹底的な排除の姿勢は身をもって知っている。夜が明けるのが少し怖かった。
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あかや - とても面白かったです！更新待ってます〜！ (2020年12月15日 13時) (
レス) id: 51d8bbe764 (このIDを非表示/違反報告)
ぱすてる - とてもよかったです(´；ω；｀) (2020年4月19日 18時) (レス) id: d34f4e9add (このIDを非表示/違反報告)
八百(プロフ) - みんなが名前を呼んでるとこでちょっと涙出ちゃいました…更新待ってます！ (2019年3月29日 21時) (レス) id: db047f61b6 (このIDを非表示/違反報告)
音春(プロフ) - 更新頑張ってください！(受験勉強も) (2018年12月1日 17時) (レス) id: f210cca1fd (このIDを非表示/違反報告)
星を見守る砂岩(プロフ) - すごく面白いです！更新頑張ってください！ (2018年11月16日 21時) (レス) id: 5a8ebe94bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さも | 作成日時：2018年2月9日 2時
