Umbrella 【arsN.K BD企画】 (ページ12)

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鮮ページ12

それから、梅雨は過ぎ、電車の中で和くんに会うことは少なくなった。

雨が降らないことが悲しくて悔しくて仕方がない。

でも、私たちは電車で会う仲じゃなくなった。

そして、二宮さんって呼ぶ関係じゃなくなった。

連絡を取り合ってお互い時間があるときに出かけたりした。

1回きりじゃない。

映画を見たり、他愛もない話をしたり、ショッピングモールへ出かけて買い物をしたり。

お兄ちゃんではないけど、私にとったらこれ以上ないくらいの幸せを感じていた。

でも、同時に彼が恋人だったらと考えるようになった。

恋人だったら、これ以上の関係を望める。

手を繋いだり、愛を感じたり、確かめ合ったり。

きっと、私が知らない大人の世界を沢山見せてくれるはずだ。

今日は和くんと4回目の待ち合わせ。

可愛いって褒めてくれるように服も髪型もメイクだって頑張った。

彼といると、受験生ってプレッシャーを忘れられる。

「ごめん、待った？」
「あっ、ううん、待ってないよ。」

細めのボーダーのポロシャツが、カラカラと熱い今の季節にぴったりだ。

そして、彼によく似合っている。

「てか、ボーダー、おそろいだね。」
「あっ…確かに…」

私もボーダーの服を着ていた。

なんだかちょっと照れ臭かった。