イエローリップ・ストーリー【S.S】３’ (ページ17)

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＃８７ページ17

立つ動作を繰り返し、Aはすぐに疲れた表情を見せた。

まぁ…太陽に当たるだけで疲れちゃうんだからそりゃそうだよな…

現実というものは甘くない。

「少し休憩しましょう。15分ほど休んでください。」
「はい、わかりました、すみません…」
「リハビリというのはいきなりたくさんやると筋肉も傷めてしまいますからね、大丈夫ですよ。」

先生はそうやって優しく声をかけると一旦リハビリ室から出て行った。

先生だって暇じゃない。

看護師さんはサポートしてくれるけど、きっと俺やAの両親の支えが重要なはず。

もっとAと向き合わなきゃな…

「A、なんか飲む？」
「あー…何があります？」
「んー…あ、Aあの種類のフルーツジュース好きだよね？」
「ん！好き！」

少し悲しげなAの不安を少しでも拭うため、俺は自販機のAの好きなジュースをボタンを押す。

ガコン、と音がするとAは手探りでジュースを探す。

本当、子供みたいで。

行動すべてが愛しくなる。

「飲んでもいいですか？」
「もちろん、Aに買ったんだから。」
「ふふっ、いただきます。」

Aはストローに口付け、嬉しそうにジュースを飲んだ。