テンダーサイン７’ 【N.K】 (ページ31)

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３４１．昔に。ページ31

テンチョーから屋根裏部屋の鍵を貰い、私は相葉さんを屋根裏部屋へと案内した。

屋根裏部屋は普段テンチョーがお偉いさんたちと相談とかする部屋。

私は数回しか入ったことない。

「どうぞ、お座りください。」
「ありがとうございます。」

相葉さんがケーキを買う目的じゃなくこうやってくることは予想外だった。

相葉さんだって忙しいだろうに、わざわざ足を運んできてくれたということは話す内容はあのことだけ。

「単刀直入に申し上げてもよろしいですか」
「はい…何でしょう。」

マネージャーさんなんだから何を言ってもおかしくはない。

もううちのタレントとは連絡を取らないでくれとか、付き合いを破綻してくれとか言っても全然不自然じゃない。

私はその瞬間、息をのんだ。

「二宮に…連絡をしていただけないでしょうか。」
「え？」

ネガティブなことばかり考えていた私とは裏腹に相葉さんの口から出た言葉は振り絞った気持ちだった。

「あいつ、やつれちゃって…仕事には支障はないんですが、珍しく体調とかもよくなくって」
「え…そんな…和也くん…」

和也くんはとっくの昔に私を許してくれていた。

私を必要としてくれていた。