テンダーサイン７’ 【N.K】 (ページ17)

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２２７．二人。ページ17

ボーっとしていると智くんはてきぱきとキッチンに向かった。

「ちょっと台所借りる」
「何…するの？」
「なぁに、簡単なもんだよ。」

智くんは私にそう言って勝手に冷蔵庫の中を漁った。

なんていうか…もしも二人暮らししたらこんな感じなんだろうなってちょっと思った。

「あ、さすがに下着着せるのはできないからそれは落ち着いてから自分でやってな。」

智くんはそれだけ言うとまた目を伏せ料理に没頭した。

智くんに渡された保冷材のおかげで、急性的な頭痛はなくなった。

そのおかげでさっきのことを明確に考えれる。

智くんの迅速で的確な行動。

あれはきっと、私に彼氏がいるとか関係なく、私の状態を考えての行動だったんだと思う。

もしかして、智くん…

「智くん…留学先で医療とか学んでたの…？」

元々面倒見がよかった智くん、そんな智くんなら小児系の医学を学んでいてもおかしくはない。

私の一言に料理をしていた智くんの手はピタリ止まった。

「あぁ…そういうことか…」

私の質問には応答せず、何かを知ったような一言を漏らしまた料理を始めた。

私たちの中で何か合致するものが見つかった気がした。