テンダーサイン７’ 【N.K】 (ページ14)

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２２４．夢中。ページ14

智くんはやっぱり、私のよき理解者だった。

どれだけの年数会っていなくても、それは変わっていなかった。

「俺…正直、またAとやっていけたらって思ってた…。でも、今Aが素敵な恋をしているならそれに全力で応えたい、優しくしたい。」

そう言ってくれる彼は私を抱きしめる力を少し強めた。

その強さが智くんの心からの気持ちなんだって、痛いほど伝わった。

「私だって、きっと和也くんを出会っていなかったら智くんと一緒に居たかった…」

あんなに大好きだった。

もうこの人しかいない、この人以外に恋なんてできないって本気で思っていた。

この人を超える人、この世の中に居ないって思いながら生きてきた。

そんな人はいつしか思い出になったけど、私が違う人に恋をするなんて思ってもなかったのに。

そんなハンデだらけの私が全力で恋をした。

心が窮屈なくらい大好きで、素直になれない自分にたまに腹が立つほど好きで溢れていた。

あの優しい笑顔が、私の気持ちを見抜く鋭さが、キザすぎる台詞が全部が恋しくてたまらない。

柔らかすぎる和也くんに包まれたい。

「私…また恋できたの…」

こんな私を夢中にさせた、彼の存在。

もっともっと一緒に居たい、知りたい。