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蜜柑は棗と呼ばれた少年を見た時、昔祖父にに言われた事を思い出した。
────昔から言われておる。
────黒猫は避けて通れ…とな。
「白猫なら問題なし…やんな?」
言い訳する様にそう言いながら、蜜柑はAを起こさない様に恐る恐る近付いた。そして、そっと人形の様な綺麗な顔に触れた。
瞬間、蜜柑は感動したという。
「な、何これ…!マシュマロや…マシュマロ頬っぺや!!」
日焼けとは無縁の真っ白な肌が、尚更マシュマロっぽい。蜜柑は調子に乗って、人差し指で彼女の頬をプニプニと感触を楽しむかの様に何度も突く。
すると、蜜柑は突然背後から何者かによって髪の毛を引っ張られた。すぐに背中に衝撃が走り、気付けば床に押し倒されていた。
「うわっ!な、なんや?!」
「5秒で答えろ。じゃねえと、この髪燃やす。テメェ、Aに何してやがる!何者だ!」
「…え?」
何が何だか分からない様子の蜜柑。ひたすら彼女を睨む棗。
両者の目が合った、その時。
───────ガシャーンッ
一人の少年が、窓ガラスを割って外から応接室へと入って来た。
「…痛ったぁ…」
「遅かったじゃん、流架。」
「ったく…誰のせいだと思ってんだよ、棗。…あれ、何してんの?そいつ誰?」
「起きたらAにセクハラしてた。喚くだけで正体言わねえ。」
「セクハラ…え、それってA大丈夫なの?」
「脱がされたりはしてねえし、まだ寝てるから大丈夫なハズだ。」
「そっか、良かった。」
押し倒されてる蜜柑を無いものかの様にして進められていく会話。蜜柑はただ、耳を傾けるしかなかった。
「ねえ、そいつもアリスなの?」
「さあ、知らね。兎に角言うこと聞かねえし、泣かしてやろうと思ってさ。」
その言葉を聞いた蜜柑が、思い切り暴れて抵抗する。
「だ、誰かぁ!」
「チッ…この野郎っ!」
揉み合っている二人を見た流架と呼ばれた少年が、Aの頭を撫でながら呆れた様に言った。
「何でアリス使って脅さないの?」
「さっきから使ってんだけど、なんかまだ調子でねえんだよ。」
「ふーん、そっか。」
助けてー!!と泣き喚く蜜柑をチラリと見た流架が、廊下から聞こえてくる声に気が付き、急いでソファの上で眠るAを抱き上げた。
「誰か来る!」
「あ、やば…」
───────バタンッ
ドアが開いた。
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名無し67465号(プロフ) - とっても面白いです!!3人の関係とか…ナルの今後とかほんとに楽しみです!更新待ってます! (6月10日 1時) (レス) @page40 id: 4d7900bf24 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 初コメ失礼します!私、愛され&逆ハー大好物なので嬉しいです!学園アリスのキャラ全員推しなので嬉しいです!更新頑張ってください! (2023年4月27日 6時) (レス) id: 3b02df20c8 (このIDを非表示/違反報告)
MIMI(プロフ) - とっても面白かったです!忙しいと思いますが、続き読むの楽しみにしてます!! (2020年6月25日 6時) (レス) id: f110a4bf7d (このIDを非表示/違反報告)
椿 - 学園アリス、初めて読んだけどとても面白かったです。お忙しいとは思いますが、無理をせずに更新頑張ってください!応援してます!! (2020年4月18日 22時) (レス) id: 314144f7d7 (このIDを非表示/違反報告)
Σ(・д・) - とっても面白いです!続き頑張って下さい! (2018年2月26日 22時) (レス) id: b4b3e9b57b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マダム・リリー x他1人 | 作成日時:2017年1月21日 6時