【学園アリス】蒼玉の炎

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乃木流架side





「Aはここでも、やっぱり人気者だね。」

『そんな事ない。流架が一緒にいてくれるから、動物達も私の方にやってきてくれるんだよ。』


違うよ、A。動物達は、ちゃんとAがいい人だって知っているから寄って行くんだよ。本能でちゃんと、分かってるんだよ。


「初めは触る事も出来なかったのにね。」


俺がそう言って笑うと、拗ねたように頬を膨らました。それが可愛くてまた笑うと、もう！と怒られてしまう。全然怖くは無いんだけどね。


『流架は最近、棗に似て意地悪になってきた。』

「棗が聞いたら怒るよ、それ。」

『いいもん。棗なんて怖くない。』


そう言えるのは、俺達だけの特権だね。

…そういえば。


「…棗に黙って来ちゃったな。」

『ぼーっとしてた棗が悪いんだってば。行くよって言ったのに無視するんだもん。』

「いや、あれは何か考えてたんじゃない？」

『棗、ムッツリだもんね。』

「え？！」

『ヘンタイ痴漢男…なんでしょ？』


そう言ってAがふふっと笑う。転入生が言ってたあれ、早速ネタにしてる。なんだかんだでAはきっと、あの転入生の事を気に入っているんだと、俺は思っている。正直…あまりいい気は、しない。


「…転入生、やっぱり気になるんだ。」

『そ、そういう訳じゃない！…けど。』

「けど？」

『…何か、変な感じがするの。』


考え込むようにして俯いたAは、どこか難しい顔をしている。


『アイツ、ほんと変なんだよ。』

「そうだね。確かに変だ。」

『あれだけ言われて泣きもしないし。』

「うん。」

『弱いはずなのに、諦め悪いし。』

「…うん。」

『賢い今井が、あんなバカと連んでる。』

「…あれ。Aって今井と仲良かったっけ？」


首を傾げる俺をチラリと見た後、Aは顔を青くして黙り込んでしまった。…今井と何があったんだろう。


『…今井は、賢いけど…なんていうか、苦手。』

「へえ、珍しいね。どうして苦手なの？」


普段俺と棗以外興味がない様な態度をとるA。特に苦手に思う相手もいないと思っていた。


『…今井の奴、写真ばっか撮ってくるんだもん。』

「写真…？」

『な、なんかその…ナルのフェロモン食らってる写真とか撮るし！あ、挙げ句の果てには売り捌くし！！』


その時の事を思い出しているのか、恥ずかしそうに顔を赤くして目に涙を浮かべるAを、動物達が心配そうにして見ていた。

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