転生トリップしたけどやっぱり俺は一般人 4【約束のネバーランド】【男主】

192.『うわぁ…絶不調…』 ページ45

Aside

ザッザッ、と大人数の為消しきれない足音が聞こえるのはシェルター近くの砂漠
今日でGPを出発してから3週間。後もう少しでシェルターに到着する為、少し暗くなりだしているが歩き続けている。

……ただし、絶賛俺は体調不良…

大怪我と栄養失調と気疲れのトリプルパンチが今日きたのである
うわー、初日のレイの予言が当たってしまったー…と、内心思いながら静かに俯いてついて行く

｢？A、大丈夫か？顔色悪いけど…｣

『え？マジ…？』

隣を歩くテオに声をかけられて素で聞きかえす。

…あああ、隠し事がある時に聞き返す、悪い癖だ……

テオにバレないように、すー、とレイへ視線を向けるが前を歩いている為、この会話はレイの耳には届いていなかった

聞かれてたら、バレてたな…

｢うん、ちょっと顔赤い…気がする｣

『んー…多分、ちょっと疲れが出てるんだ。体調が悪い訳じゃないよ』

適当で取ってつけたような言い訳で誤魔化す
すると、意外にもテオや近くを歩いていた子も納得をしてくれた

暑いのか寒いのかわからないような感覚で、ずっと変な汗が滲む。
息が上がらないように気をつけながら歩くのもかなり体力を使う。
とにかく帽子を深く被って、俯いてバレないように歩く

…後5分もあればシェルターに着くから、それまでは隠そう……

そんな事を考えていた、多分、後にレイから説教される

・

そして、シェルターについた

｢着いたぞ｣

と、端的なレイの声が聞こえ、数秒後、ゴトン、とシェルターの扉が開く音がした
残念ながら、顔を上げれば体調不良がバレそうで、音で確認するしかなかったけど…

視線だけを上げて確認すると、レイを先頭にして順にみんなが降りていっていた

……重傷者の対応が先だろ、数分はどこか物置にでも隠れよう…

そんな事を考えてシェルターの中、梯子を降りる。

トン、と小さく音を立ててシェルターの床に両足を下ろすと視界がぐらりと揺らいだ。

『…っ、』

反射的に梯子を持っていた手に力を込めて体を支えた、が、それで力尽きてしまいしゃがみこむ

『っは、っ…は、っはぁ』

｢……A？｣

不思議そうな声がどこかから聞こえた気がした
しかし、それに返事する元気さえない俺は、しゃがみこんだままだった

げほっ、ごほっ、と大きな咳が出るともう体調不良は隠せない

だんだんと意識が遠のいて、どこか遠くで、ばたり、と倒れた音が聞こえた

__と、言うか、俺の意識はその辺からもう無くなっていた

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