転生トリップしたけどやっぱり俺は一般人 4【約束のネバーランド】【男主】

191.『移動開始最初の夜』 ページ44

Aside
移動開始1日目の夜。

俺は怪我人の為荷物さえ持たせて貰えずただ歩くだけだった。

……さほど、疲れなかったな…

野営中、ぼーっと、木に背を預けて座りそんな事を思う。
精神的に気疲れがあったものの、肉体的にはあんまし疲れがない。

そんな事を考えていると、レイがこちらに歩いてくるのが見えた。

『あれ？レイ、見張り交代した？』

｢ん、ああ｣

レイは短く返事をするとストンと、俺の隣に座った。

『お疲れ、ってまだ気ぃ抜けないけど』

｢…ったく、Aは寝ろよ｣

はぁー、と息をつきながらレイに言われてしまう。

『えぇ、むしろ今日動き回ったメンツのが寝るべきだろ…』

見張り的にあれだけど…、と付け足せばレイも肩をすくめる。

｢怪我は？大丈夫…なのか？それ｣

『んー、大丈夫だよ、多分。目はもうアレだけど』

そう言うと、レイはなんとも言えない顔をする。
………罪悪感に苛まれてそうな顔…

『はは、なんつー顔』

少し笑いながら言うとレイはじっと黙って見つめてくる。

『…なに…？』

｢大丈夫なのかよ、大怪我に栄養失調……いずれ体壊すぞ｣

『あー、大丈夫。シェルターまでは持つよ』

｢シェルターまでは(・・・)？｣

圧の強い声で聞かれて、俺はうっ、と目をそらす。

『……ごめんね』

そっぽを向いたまま言う。
すると、レイに肩をトントンと叩かれる。
反射的にそっちへ顔をやると、

『んわっ…』

レイが肩に手を残したまま人差し指を立てていたため、頬に指がささった。
それを見るとレイは笑いながら手を下ろす。

｢無理だけはすんなよ｣

『……………それ、レイが言う？』

｢じゃ、お互いに、とでもつけようか｣

『はは、だな』

そんな、久々な会話もありながらシェルターへ帰る3週間が過ぎた。

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