183.『いよいよ開戦…』 ページ36
Aside
そして____
ジャアアァン！！
と、耳を劈くように音楽が風車の中まで響いた。
反射的に、ザァッ、と、昨日の事が脳裏を過ぎる。
ドクリ、と、自分の心臓が酷く驚いたのを感じ取った。
「…音、楽……」
「昨日の今日で、か…」
ルーカスとローガンの困惑の声が耳に届いたけれど、俺からすると恐怖でそれ所ではなかった。
『………』
無言で自分の手へ視線を落とすと、恐怖か、緊張か、はたまた武者震いか、ずっと小さく震えている。
音楽が鳴った瞬間、昨日の事を思い出してしまったのだ。死にかけた地獄の鬼ごっこを。
ゴクッ、と唾を飲み込み、震える手をギュッと力一杯握り締める。深呼吸して落ち着こうとする。それなのに、ずっと脳裏には死を悟ったあの瞬間がこびり付いて離れない。何度深呼吸しても、息は落ち着いてくれず、すぐに息が上がってしてしまう。
手当された傷口がじくじくと痛み、あの時の焦燥感と恐怖を思い出させる。
どうしよう、緊張と恐怖で泣きそうだ…
口をキュッと結び、落ち着け、落ち着け、と心の中で反芻していると、ポンと頭に手が置かれた。
ふと、そちらに視線を飛ばすとルーカスとローガンが優しく笑ってくれていた。
『……あ』
「…大丈夫。な、移動しよう」
2人の顔とローガンの言葉に少しずつ、落ち着きを取り戻す。未だに手は震えるけれど、涙は自然と消えたと思う。
…大丈夫、大丈夫。
ふ、と小さく1度息を着く。
『…うん。行こう』
口から出た言葉は情けない程に震えていたけれど、それでもちゃんと芯のある声だった。
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透 - うわこれ求めてたやつやん…… (2020年12月3日 1時) (
レス) id: 3bb721340a (このIDを非表示/違反報告)
mayu0809!(プロフ) - めっちゃ好きです！ (2020年11月29日 15時) (レス) id: 844f4b1a91 (このIDを非表示/違反報告)
ただの猫好き - 『シュティル』って名前で読んでたら「シュティル」がでてきたwww (2020年10月6日 3時) (レス) id: bd6f1862b8 (このIDを非表示/違反報告)
ナナシ(プロフ) - 咲さん» 返信遅刻でごめんなさい！コメントありがとうございます！！お待たせしました！！待っていて下さりありがとうございます！これからもゆっくりとですが完結目指して頑張ります！！ (2020年9月16日 18時) (レス) id: 49247f9769 (このIDを非表示/違反報告)
ナナシ(プロフ) - トゥルピカさん» 返信遅刻でごめんなさい！お待たせしました！待っていて下さりありがとうございます！！お察しの通り亀更新ですが頑張ります！！ (2020年9月16日 18時) (レス) id: 49247f9769 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナシ | 作成日時：2020年5月16日 11時
