4話 ページ4
ななもりとの通信が切れて、数秒の沈黙が流れた。
が、すぐに全員の口角がニヤリと上がった。
｢…近くに看守はいねぇ、声の響き的に、この牢は地下にある。｣
｢あれだけ騒いだのに来ないからねぇ｣
先陣切って話を始めるのは、さっきまで鉄格子のそばで騒いでいた、さとみとるぅと。
2人はどうやら、騒ぐことで看守や場所を特定していたようだった。
｢テレビやラジオ、ネット系のハイジャック回路も生きてたで。ただ、ころんがちょっと動かしたから危ないかも｣
ジェルところんもさっきの通信を報告する。
彼らすとぷりは反乱のためテレビやラジオ、ネット系をハイジャック出来るようにしていた。
それは"すとぷりすなー"という、彼らの仲間へ反乱の合図を送る為のもの。
さっきのは結局、通信が悪かったせいでころんの声も載ることはなかったが、ハイジャックによる通信妨害らしい何かがあってもおかしくないだろう、というか考察だった。
｢…通信環境が悪いせいか、なーくんとの通信も切れちったし…どーするの、莉犬くん｣
自分の腕輪を見ながらそんなことを言い、どこか楽しそうに莉犬の方を見るころん。
皆ころんにならって楽しそうに、からかうように莉犬の方を見る。
原因はさっきの発言。
___｢大丈夫。中からぶっ壊すから｣___
この一言だった。
莉犬は少しだけ、ふ、と笑ってから
｢助けを待つんじゃなくて、中から脱獄するよ。｣
堂々と笑いながら言い放った。
瞬間、パーティーか何かのように、他4人が盛り上がった。
｢はっ、言うねー。で、その脱獄計画は？｣
笑いながらさとみが莉犬に聞く。
｢コレを使う｣
莉犬は手を動かし自分の首輪を指す。
するとみんなは自分の手首の腕輪、通信機器へ視線をやる。
｢コレですとぷりすなーにを応援を求める｣
莉犬が言い切ると、次はるぅとが小さく手を挙げた。
｢はい、でもそれじゃ、国にコレの存在がバレちゃうよ？｣
｢ああ、それは____｣
るぅとの質問に莉犬が答えようとした時、ザザッ、と通信機器がなった。
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作者名：ナナシ | 作成日時：2020年11月22日 1時
