20話 ページ20
『__えっ!』
と、戸惑った莉犬の声を聞き流し、ななもりはさっきスタンガンで気絶させた警備兵から銃を奪い取る。
「大丈夫、指示がなくても王室の中はわかるから。」
そう言ってから、ななもりは銃をすぐ取れるようにしてから、スタンガンと煙幕を手に持つ。
(中には、警備兵3人と王と王妃、王子…煙幕を使ってから急げば"3人"は気絶させられる…)
警備兵を気絶させたら、その時は_____________
ななもりは、ふっ、と小さく息をついてから、勢いよく扉を蹴破った。
瞬間に扉への発砲音と、煙幕で王室は大混乱。
「下手に撃つな!!我々に当たったらどうする!?」
「どうしてここまで奴らが来るのよ!?!?」
「動かないでください、!父様!母様!!」
そんな王族の会話もななもりの耳に入ったが、それらは全て無視して、警備兵へスタンガンを向けた。
バタッ、バタッ、と次々に人が倒れる音がして、煙が晴れる頃には警備兵と王妃は床にくたばっており、王は意識はあるが膝を着いて動けない状態だった。
「………」
黙ったまま座り込む王子へ、チャキッ、と小さく音を立てて奪い取った拳銃を向ける。
王子は黙って真っ直ぐななもりを見つめ返し、王は思案している様子だった。
王室の防犯カメラの映像はテレビやネットにずっと流されていた。
管理室の液晶は壊れても今もずっと流れているだろう。
こうなってしまえば、町の暴動も今や、シン、として国民も警備兵もこの映像を見る他ない。
その証拠に、さっきまでの放送も全て繋がってはいるが、ずっと音が入っていないのだから。
「……命乞いでもすれば?」
と、冷たい笑顔で言い放つななもり。
瞬時に首輪、腕輪から通信がザザッ、と音を立てるが、ななもりは空いている手で通信を切り、床へそれを投げ捨てる。
バンッ!
と、音を立ててそれを撃つと通信手段は一瞬にして消えた。
(…多分、メンバーが駆け込んでくるんだろうけど、その時には)
もう一度、チャキッ、と音が響き、今度は王に銃を向けた。
「!?!や、やめろ!!」
王はすぐに命乞いの言葉を荒らげた。
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作者名:ナナシ | 作成日時:2020年11月22日 1時