東方フローリスト4～U-Know&Changmin (ページ16)

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それから3週間ほどした日の夜。

私は五十嵐さんと居酒屋にいる。

「とりあえず、無事納品できたってことで！」

五十嵐さんと私は中ジョッキで乾杯する。

「2人だけの打ち上げって面白いですね」

「まぁまぁ。納品の打ち上げは別にあるけど、あれはめちゃくちゃだから」

「え、そんなにすごいんですか？」

「すごいなんてもんじゃ。あの堅そうな社長がおしゃべりになって説教たれたり、

　事務の子が笑い上戸で笑いが止まらなかったりね」

「意外・・・」

「でしょ？お酒って面白いよね。自分の限度を知ってこその面白さだけど」

話しているうちに、お互いのジョッキが空になってきた。

「次なに飲む？ここ、日本酒系うまいよ」

「うーん・・・これがいいです」

「うん？梅酒？」

「日本酒じゃないけど、ここの梅酒濃くて好きなんです」

「へえ～そうなんだ。おれも飲んでみようかな」

運ばれてきた梅酒を飲んで、五十嵐さんはびっくりした顔をする。

「これ、すごいうまい。どこのやつ？」

「木内酒造の”木内梅酒”です。実家に帰ったときに飲んでおいしいなあって思って」

「え、木内酒造って茨城だよね？中山さん出身茨城なんだ？」

「はい、蔵元に近いですよ」

「ほんとに？おれ行ってみたいなあ」

そのあともお酒を飲みながら、私は五十嵐さんと話していた。

こんなに話しやすい人だったんだ。

正直営業で話しているときはそうは思わなかった。