東方フローリスト4～U-Know&Changmin (ページ14)

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「冬も嫌いじゃないけど」

お花を受け取りながら私はつぶやく。

「春があと何ヶ月かでやってくるって思うと、やっぱりうきうきしちゃいます」

ふわっとユノさんが笑った。

「ぽくもです。1年の中で、この時期が一番好きです」

誰よりも春を先取りしてますから、といたずらっ子のように笑って言う。

「そろそろ桜も入荷しますよ」

「え！もうですか？」

「啓翁桜(けいおうざくら)って品種がね、一番早く咲くんです。かわいいですよ」

「へえ・・楽しみだな」

「これ見よがしに店の外に置いちゃおうかな」

ね？とユノさんはチャンミンさんに首をかしげて聞いている。

「ユノヒョンの発想はどうして子ども目線なんでしょうねえ。そう思いません？」

笑いをこらえながらチャンミンさんは私に話をふる。

「ええ？それ私に言われても」

「中山さん困ってるじゃない。だいたいぽくは子どもじゃないもんね、オ・ト・ナ！」

ムキになってること自体すでに大人じゃないんだけど。。。

ほんとかわいらしい、この人たち。

じゃあ、と言ってお店を出る。

桜が「これ見よがしに」店頭に飾られる日が楽しみだな。

真冬の冷たい空気の中、私はあったかい気持ちで家に向かった。