プリズム～君と過ごす毎日（オリジナル） (ページ6)

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「あ、あの！」

「ん？なに？」

その人はふんわりと優しい表情で微笑む。

「あなたのお名前は・・・？」

「そういうあなたはなんていうの？」

にこにこしながら私に聞き返してきた。

「え、えっと・・・」

「え？名無しさん？」

とぼけた顔をして言うので、私は思わずふきだしてしまう。

「やだ、ありますよ！私は滝川真由(たきがわまゆ)っていいます」

「真由ちゃんかあ。いくつ？」

「21です」

「どわっ若いな！いいな～・・・」

「そういうあなただって若いと思うけど・・・」

「真由ちゃんほどじゃないよ。おれは浅倉颯太(あさくらそうた)。27だよ」

「えー、見えない」

「それは褒め言葉？」

「褒めてるんですよー・・・」

突然めまいがして、私は頭を手でおさえた。

「真由ちゃんだいじょぶ？」

「は、はい・・なんとか」

「ね、病院行ったほうがいいんじゃない？単なる風邪じゃないかもしれないよ」

颯太さんのその言葉で、合点がいった。

もしかしてこのめまいの原因は・・・

「真由ちゃん？どした？」

心配そうに私の顔をのぞき込む颯太さんに、

なぜか私は昨日までに自分に起きたことを話したいと思った。

間違いなく引かれる内容だけど・・・

颯太さんなら全部聴いてくれるような気がした。