プリズム～君と過ごす毎日（オリジナル） (ページ16)

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no.16 ページ16

「真由、ちゃん・・・？」

思わず出たおれの声に、真由ちゃんはびくっと体を震わせて顔をあげた。

「やっぱり・・・どうしたの、こんな遅い時間に」

「・・・」

真由ちゃんは涙をこぼすだけで、何もしゃべらない。

「とりあえずさ、おれんち行こうよ」

「・・・やさしくしないでください」

「え？」

「私なんかにっ、優しくしないでください！
　どうしようもないばかで意気地なしな私なんか・・・っ」

「誰もそんなこと」

「こんなんだから・・・っ！赤ちゃん死んじゃったんだ・・・！」

おれの言葉をさえぎって、真由ちゃんは叫んだ。

赤ちゃんが・・・死んだ？

「真由ちゃん、おれんち行こう。
　少し落ち着こう」

毅然とした態度のおれに、真由ちゃんはもう何も言わなかった。

おれに手を引かれてベンチから立ち上がる。

よろよろとおれに倒れかかってきたので、おれはあわてて真由ちゃんの体を支えた。

その体は冷えきって、まるで生きていないかのようだった。