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no.14 ページ14
「ちょっと〜、颯太！」
同僚のレイコがしかめっつらでおれをにらむ。
「なに」
「うわ〜、その言い方もかわいくない」
「だからなんだよ」
「そのケンカ口調なんとかしてよ。それにその顔」
「顔？」
「ずーっと不機嫌顔だよ？ここ何週間かずうーっとね」
「・・・お前、おれにケンカ売ってんの？」
「買うの？」
「買わねーよ」
「こっちだって売る気ないわよ。
・・・まぁわかってると思うけど、うちらの仕事ってサービス業だからさ。
もうちょっと隠したほうがいいと思う」
”わかってると思うけど”のところを強調して言い、レイコは部屋を出て行った。
おれはふうっとため息をついて、机につっぷした。
そう。
わかってる。
おれが仕事に支障がでるほどに気になっている原因。
真由ちゃんだ。
熱を出して倒れているところに偶然通りがかって、
おれは真由ちゃんを家まで連れて帰り、介抱した。
彼氏に奥さんがいることをその日初めて聞かされたらしい。
それだけでもショックだろうに、
真由ちゃんはそいつとの子どもを妊娠していた。
どうなったんだろう・・・
お腹の赤ちゃんを産む決心、したのかな・・・
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作者名：sai-sai
| 作成日時：2016年9月21日 22時
