クラシック～Changmin (ページ10)

今日:8 hit、昨日:0 hit、合計:300,137 hit

vol.10 ページ10

「リオ」

電話の向こうから呼ばれて我に返る。

「なに？」

「あのさ、ききたいことがあるんだけど」

「うん」

「女の人にお花あげるとしたら、どんなのがいいと思う？」

「え・・・」

「ちょっと年上の人なんだよね。ぼく、お花は全然わからないから」

「うーん・・・」

考えながら、少しショックだった。

お花をプレゼントしたい相手がいるんだ・・・

「相手の人によっても違うけど・・・どんな人なの？」

「うーんとね・・・キレイ、な人かな」

「そう・・・バラとかユリは？」

「バラかあ・・・」

「かっこいい感じならカラーってお花もいいかな」

「カラー？」

「んとね、筒みたいな形のお花。カラーとシャープな形の葉っぱを組み合わせてもステキ」

「あー、いいねそれ。そうしようかな。ありがとね」

「うん」

「そろそろ時間だから・・・またね」

「うん。またね」

電話を切って、ため息をついた。

私・・・なに考えてるんだろ？

マックに彼女がいないなんて一言もいわれてない。

私は彼にとってきっと通りすがりの人間なんだ。

きっとすぐに忘れられてしまうんだろう。

あきらめの言葉をたくさん浮かべながら、

それでも”またね”の一言に期待してしまう。

また・・・話したいな。

ようやく日が昇りはじめて明るくなってきた部屋で、

私はベッドに腰掛けてただぼんやりとしていた。