クラシック～Changmin (ページ16)

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vol.16 ページ16

朝9時。

目覚ましに助けられ、

なんとか起きられた私は目的地に向かって車を走らせている。

私の住んでいるところには、比較的大きなホールがあって、

いろんなアーティストがそこでライブをしている。

私も昔はよく足を運んだなあ。

関係者用の駐車場に停めようと入口をくぐろうとしたら、

びっくり。

観客と思われる女の子がホール前の階段に座っている。

しかも何人も。

・・・何時からやるんだろ・・・

私は開場されてからのんびり入場するクチだけど、

ああやって一所懸命並んで待つひともいるんだよね。

そこまで動かすことができるアーティストって、ほんとにすごい。

そう思いながら駐車場に車を停めて、

私は助手席にのせた大きなアレンジメントを慎重に持ち上げ、入口の警備員さんに声をかける。

「おはようございます！お花の配達に来たんですが」

「おはようございます。じゃあ、こちらにお願いできますか」

案内された場所にアレンジメントを置いて、警備員さんにサインをもらう。

「すごいですね。もう開場待ちの人たちがいてびっくりしました」

「ああ・・そうだろうね。今日はビッグアーティストのライブだからね」

「へえ？」

ありがとうございましたとおじぎして、私は車へと引き返す。

その途中、ばかでかいトラックを見かけた。

男の人がふたり、トラックの側面に映っている。

名前は・・・

「とう、ほう、しん・・・き？」

たどたどしくローマ字を読む。

ふうん・・・

この人たち、すごい有名なんだ。

あとは特に何も考えず、車に乗ってエンジンをかけた。

既に関係してる、なんて思いもせずに。