クラシック～Changmin (ページ11)

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vol.11 ページ11

「櫻井さん、休憩入っていいよ」

お店で売るためのサービスの花束を作っていたら、

店長が私に声をかけた。

「はい、じゃあお先に休憩入ります」

「うん、ゆっくりどうぞ」

エプロンをつけたまま店の外に出る。

今日はどうしようかな・・・

お弁当を買ってベンチで食べるか、

徒歩5分のショッピングモールにあるカフェに行くか。

・・・

今日は天気もいいし、外で食べよう。

近くにあるコンビニで買ったお弁当のふたを開けたときだった。

ポケットに入れた電話が震えた。

振動に驚きながら取り出すと、画面に”マック”の表示。

びっくりしながら通話ボタンを押す。

「もしもし？」

「あ、リオ？」

「マック・・どうしたの？」

「仕事中だった？」

「あ・・・今は休憩中」

「そっか、よかった」

マックの電話の後ろが少しがやがやしている。

「今朝言ってたやつね、渡したよ」

「え？」

「お花。カラーを花束にしてね」

「あー・・・そうなんだ」

「うん。すごい喜んでた」

「よかったね」

「みんなでどうしようかって悩んでたから、リオに相談できて助かった」

「ん？みんな？」

「あー、僕の仕事の先輩で今日誕生日の人がいるから、
　何か驚かそうって話になって。
　そういえばリオお花屋さんだったなって思って」

「あ、そう・・なんだ」

きっと私の顔はゆるんでいたと思う。

なあんだ・・・

彼女にあげるお花じゃなかったんだ。