第6話 ページ6
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あれからおじさん達のお家にお邪魔して、蘭ちゃんの美味しすぎる手料理を食べ、お風呂に入り、いつの間にかすこんと寝てしまっていた。
目が覚めれば夢オチでした☆って項垂れるのかとも思ったが、やっぱり知らない天井で、キッチンで蘭ちゃんが朝ごはんを作っていた。
そして学校へ行った二人を見送ったあと、わたしも病院へ向かった。
先生に通院するよう言われていたのだ。
向かう道は、やっぱり変な感じがする。
至って普通、違和感なんてないのに、どうも道行く人の顔には違和感を覚えてしまうのだ。
そして脇のお店のガラスを見ると、わたしの顔も同じようにコナン仕様。元の顔なんて分からないのに、違和感しかないのだ。
「一日経ったけど、思い出した事はある?」
「いえ…何も」
そして、やっぱりわたしの記憶は、そう簡単に思い出せないのであった。
欠落した記憶を取り戻すために出来る事もあるらしいから、本当に必要になったらやってみるのもいいかもね、と言われて苦笑いしか出来なかった。
忘れた記憶にさほど固執していないから。
それから、警察の人も何か思い出したら身元特定のために動いてくれたりもするそうだ。まあお世話になることはないかな、と聞き流しておいた。おそらくここに、わたしの戸籍は存在しないから。
もしわたしがイレギュラーなトリッパーだとバレたらきっと終わり。それだけは避けなくては。
今日は話もそこそこに帰されたから、ついでにこの辺りの道を覚えようと周辺をうろついていた。
おじさんが持たせてくれたお金でおにぎりを食べ、病院から探偵事務所まで以外にも、少し寄り道をしているうちに、いつの間にか時計は15時を回っていた。
「あ、おねーさん!」
突然声をかけられて振り向くと、そこにはコナン君を筆頭に、ぞろぞろと少年探偵団の面々がいた。
リアル少年探偵団の可愛さに思わず目をみはる。
「コナン君、知り合いの人?」
「ああ、昨日からウチで過ごしてるお姉さん」
歩美ちゃんの問いにコナン君が答えると、光彦君が何やら訳ありですか?と尋ねてきた。
「どうも昨日からの記憶しか無くって」
苦笑いすると、元太君が元気よく聞いてきた。
「キオクソーシツってやつか!?」
「そう、記憶喪失」
すると、子供達三人の目が光った。
その気迫に、首を傾げる。
「これは、我々少年探偵団の出番ですね!」
そういう事か。
コナン君や哀ちゃんと同じく、わたしも苦笑いをこぼした。
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みすと(プロフ) - リリィさん» 読んでくださりありがとうございます! めちゃ更新遅くてごめんなさい…!必ず続きちゃんと書くので待ってくださると幸いです、、、 (2019年8月20日 14時) (レス) id: 2f6679e490 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ - 気長に待ってます。なので、更新お願いいたします! (2019年8月17日 18時) (レス) id: 14d9286bf4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みすと | 作成日時:2019年8月15日 17時