第3話 ページ3
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脳に異常は見つからなかったし、薬の使用者でもなかった事が分かりひとまず安心した。
やはり原因は何らかのストレスやトラウマ体験によるものらしい。
正直わたしはトリップの際に記憶を置いてきてしまった説を一番推しているんだけど。
病室に戻されると、程なくしてコナン君達が先生と共にやって来た。
さっきから思ってたけど、何でコナン君達はわたしの件に関わっているのだろう。特に事件に巻き込まれていたなんて話聞いていないし、警察の人も見かけないので不思議に思う。
すると先生が、紹介するねと言ってコナン君達の方を注目させた。
「君も知っているみたいだけど、有名な私立探偵の毛利小五郎さんだ
そして娘さんの毛利蘭さん、こちらが江戸川コナン君」
もちろん存じ上げておりますとも。漫画やアニメでさんざん見てました。
わたしはうんうんと頷く。
そのまま話を聞いていると、どうやらわたしはポアロの前…正確にはポアロの脇の、毛利探偵事務所や蘭ちゃんの家へ続く階段の前で倒れていたらしい。
そしてそれを、ポストを見に来た蘭ちゃんが発見してくれたようだ。
それから病院に運ばれ、二日ほど眠っていたらしい。
「それはとんだご迷惑を…」
「いえいえそんな!」
蘭ちゃんは心配そうにわたしを気遣ってくれた。天使だ。
家の前で倒れていたから、わたしは大丈夫なのかと心配してくれていたようだ。
ようやく疑問が解決したわたしに、先生が外の空気を吸ってきたらどうか、と提案してくれた。
確かに丸二日こもりっきりだったし、良い気分転換になるかもしれない。
「それじゃあ、行ってきます」
「あ、わたしも一緒に行きます!」
「ボクもー!」
ベッドから立ち上がると、蘭ちゃんとコナン君から素敵な申し出が。
もちろんそれを受け入れ、三人で外へ出た。
すー、はー、と深呼吸する。
うーん、都会の空気。けれどコナンの世界の空気だと思うとなんだか美味しく感じる。
「着いてきてくれてありがとう、蘭ちゃんにコナン君」
「んーん!ボク、お姉さんとお話したかったから!」
満面の笑みのコナン君。あまりにも可愛くて頬がだらしなく緩む。急いで両手で頬を挟んだ。
ベンチに座り、うーんと伸びをする。
突然トリップして記憶を失っても、大好きな漫画のキャラクターとこうして平和に会話ができるなら、とても良い場所に来てしまったのではないか。
わたしはウキウキした気分を隠せないでいた。
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みすと(プロフ) - リリィさん» 読んでくださりありがとうございます! めちゃ更新遅くてごめんなさい…!必ず続きちゃんと書くので待ってくださると幸いです、、、 (2019年8月20日 14時) (レス) id: 2f6679e490 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ - 気長に待ってます。なので、更新お願いいたします! (2019年8月17日 18時) (レス) id: 14d9286bf4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みすと | 作成日時:2019年8月15日 17時