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第1話 ページ1




ゆっくりと瞼を開く。

ずっと、何日も眠っていたような、そんな感覚と共に目が覚めた。


見えるもの全部白。見慣れない天井も壁も、目線の端に映る布団も、全て白い。

まだぼーっとする頭で理解出来たのはそれだけ。
これまた白いカーテンの向こうから差し込む光の眩しさに思わず目を細めた。


「…あっ!? 目が覚めたんですね!」


声のした方へ顔を向けると、お姉さん(正確にはちゃんと顔が見えた訳ではないけど)がにっこり笑って、「先生呼んできますね」と言ってすぐ踵を返して行ってしまった。

今の、看護師さんか。とすると、ここは病院。
なんだか体がだるいし、倒れでもしたのだろうか。


言葉通り、すぐに戻ってきた看護師さんが呼んできた先生やほかの看護師さんにされるがまま、身体に異常がないか調べられる中、ふと気が付いた。

それは、周りの人の顔立ち。みんな、どこかで見たことあるような顔をしている。


失礼ながら顔を凝視して、やっと気が付いた。

わたしの大好きな漫画、『名探偵コナン』特有のあの目や鼻をしているのだ。コナンの登場人物、という雰囲気の顔立ち。

な、なんだこれ。夢でも見ているのかと思ったが、あまりにもリアルすぎる。
病院の薬品の匂いが鼻をかすめた。


「えっと、ここは…」

「病院ですよ、米花総合病院」


べいか、と小さく反芻する。米花なんて地名、名探偵コナンでしか聞いた事がない。

とするとここは東京都米花市米花町。
…つまり、コナンの世界の東京なのだ。


ようやく意識が少しづつはっきりしてきた。
それと同時に、自分が置かれている状況をゆっくりと理解し始める。

こんな話、到底信じ難いけれど、夢ではないのなら、考えられる可能性は一つ。


異世界トリップ、である。


二次創作界隈などのいわゆる『トリップもの』。
夢小説でそういう類のものを読んだ事がある。ラノベなんかでもあったりするっけ。

けどこういうのってナビゲーターしてくれる人だったり神様だったりがいるんじゃないのか。
生憎わたしはそれらしき人物も夢も見ていない。なんだこの鬼畜仕様。


窓に映る女性はなんともげんなりした顔をしていた。
これがわたしか。原作者さんに似顔絵描いてもらいました、って感じの顔をしている。

そこでふと思った。のと、先生が聞いてくるのがほぼ同時だった。


「名前、言える?」


実際、自分がこんな顔をしていたのか、名前が何なのか、分からないのだ。





第2話→



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みすと(プロフ) - リリィさん» 読んでくださりありがとうございます! めちゃ更新遅くてごめんなさい…!必ず続きちゃんと書くので待ってくださると幸いです、、、 (2019年8月20日 14時) (レス) id: 2f6679e490 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ - 気長に待ってます。なので、更新お願いいたします! (2019年8月17日 18時) (レス) id: 14d9286bf4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みすと | 作成日時:2019年8月15日 17時

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