17 ページ17
○
A組女子たちと話し合った結果。
上手く話せないなら、とことん話して慣れよう!という結論に至った。
私に、轟くん耐性をつける訓練みたいなものだと言われた。
無理だ。
「とゆーわけでさあ行けA!」
「行ったれAちゃん!」
「待って待ってムリムリムリ」
三奈ちゃん、透ちゃんにぐいぐいと背中をおされる朝。
A組のドアの前で必死に抵抗する私。
轟くんはまだ来ていない。出待ちしてあいさつしようという作戦だ。
とは言っても、轟くんに会うだけで顔は火照るし血の巡りは活性化するし、とにかく正気でいられないのだ。
「無理だよ! やだ!!!」
「昨日の意気込みはどこ行ったの!?」
「意気込みは語ってないよ!!!」
こう言い合ってる間も私の体はぐいぐいと押されていく。
「もうほんとに＿…どわっ!?」
前を見ていなかったから、誰かにぶつかった。
がばっと平謝りする。
「すっすすすみません!!」
「…大丈夫か」
相手の声に、はっとする。
大好きな、私の正気を大きく揺るがせる声。
「とっ轟くん…!!」
まさかの展開に驚く。
顔を見ると照れてしまうから、謝った姿勢のままで。
「…なんで俯いたままなんだ?」
轟くんは不思議そうに言う。
素朴な疑問、って感じのニュアンスだ。
「これは、その…そういう趣味といいますか…」
テンパって変な返しをしたら、少し離れたところで三奈ちゃんと透ちゃんが笑いを堪えているのがわかった。
くそう。
パニックになって言葉が上手く出てこないんですよ。
「…ふ」
「…ウッ……!?」
心臓がやられました。
轟王子の滑らかで柔らかな笑い声。
ふ、て。 ほんとにけしからん!!!!!
けどこうやって私がバカやって(不本意だけど)、
轟くんが笑ってくれるのは。
少し、距離が縮まったんじゃないかって。
自惚れても、いいのかな。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 118人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みすと(プロフ) - 5号 ミッキーさん» 返信遅れてしまってすみません! ももくり、調べてみましたがかわいいですね! 確かに似てるなぁと思いました笑 ありがとうございます!なかなか更新出来てませんが、見に来てくださると嬉しいです(^^) (2019年1月19日 18時) (
レス) id: 2f6679e490 (このIDを非表示/違反報告)
5号 ミッキー(プロフ) - ももくりみたい！お気に入りです！ (2018年11月11日 13時) (レス) id: 27b1904a4b (このIDを非表示/違反報告)
みすと(プロフ) - 歩く中二病さん» はじめまして!コメントに、嬉しい言葉の数々、ほんとうにありがとうございます!! 最近更新滞っててすみません^^; ストーカー気味で暴走してる女の子は書いてて楽しいのですが、最近おとなしめなのでいろいろ捻っているところです、笑 更新頑張ります!! (2018年8月12日 20時) (レス) id: 2f6679e490 (このIDを非表示/違反報告)
歩く中二病(プロフ) - はじめまして！前々から作品を見てまして、頑張れ！って思います！作者さんも、夢主さんも。ストーカー気味なところも好きです！更新頑張ってください！ (2018年8月9日 17時) (レス) id: c177f1386f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みすと | 作成日時：2018年7月18日 12時
