また、30年経ちました。 ページ33
なんで、笑ってるんだ。
「兄さん……大好きよ。」
そんな事言われる権利はない。
やめてくれ、私を怒ってくれ、憎んでくれ、蔑んでくれ。「お前がいたから私が死んだんだ」と。はっきり言ってくれよ。
『なんでだよ…。』
「__さ_。」
『やめっ…て…くれ……。』
「じ_さん。」
『ごめ、なさ…い。』
「爺さん!!」
意識が浮上した。見覚えのある顔。その顔は私を心配そうに覗き込んでいた。
「大丈夫か。」
『じ、ん…。』
「何があった。」
『私、は…お前の…両親を……自分の娘を…お前の幸せを………。』
「おい、落ち着け。」
『血の繋がりのある者を傷つけた。』
「っ」
『"オレ"があの時、あんな事しなければジンは組織に入らなくて済んだんだ。ごめんなさい。許してなんて言わない。殺してもいい。ジン、陣…お前は…。』
何も悪くない_
「…俺の血、抜いたのって…そういう事だったのか。」
『後悔したろ?こんな私がお前の…。』
「別に……ただ、血の繋がりのある奴がいるとは思ってなかった。俺は一人だと…そう思ってたから。」
『あ…。』
「家族なんて、いなかったから。だから、爺さんが、久作が"家族"だと言ってくれた時は…正直、嬉しかった、のかもしれない。
むしろ、こんな犯罪者に成り果てた孫なんざ要らないと、拒絶されると思った。」
犯罪者にしたのは私だ。なんでジンがそんなこと思わないといけないんだ。
「俺はアンタを拒絶しない。また、此処に戻ってきて、アンタの飯が食いたい。」
『っぅ…私もお前を拒絶したりだなんてしない…。なぁ、組織を…抜けないか?抜けられないのなら潰せばいい。私ならいくらでも手を貸すさ。』
「……組織を…潰す…か。別にアンタがそうしたいならそうすりゃいい。今はもう、彼処に思い入れなんざない。」
物語が動き出す____
番外編【戦後の要注意人物】→←29年【開き直ってテンションMAX!!!】
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三毛猫 - 面白いです!組織好き!! (2019年7月23日 18時) (レス) id: 18b5c09236 (このIDを非表示/違反報告)
猫好き - すみません、ジンが可愛く思えてしまった私は病気なんでしょうか それとも年か!? (2019年4月13日 23時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
レキ(プロフ) - 死 体 ハ 見 付 カ ッ テ ナ イ 。フラグか?! (2019年4月10日 6時) (レス) id: c6d49836df (このIDを非表示/違反報告)
咲希(プロフ) - 【朗報】警察学校組生きてた──めっっちゃ面白いです!社長…実のお爺ちゃんを馬鹿とは…いいですよ。もっと言いなさい……。これからも頑張ってください! (2019年3月30日 4時) (レス) id: cdd9e80849 (このIDを非表示/違反報告)
あかねこ - わ、やっぱり……! 不運持ちの夢主ちゃんや下級構成員のお話、よく読んでました。 アスパラさんの心中お察しします。途中で終わり残念でしたが、素敵な物語をありがとうございました。 これからも影ながら応援しています。 (2019年3月7日 16時) (レス) id: be00f2b1a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アスパラ | 作成日時:2019年3月3日 23時