番外編【お爺ちゃん、ここ数日間の記憶がないんだがボケたのか？】 ページ13
『オレ、母ちゃんと婆ちゃん、あと妹の春ちゃんと一緒に暮らしててー、父ちゃんは戦争で死んだ。
さっきまで春ちゃんと小夜ちゃんと一緒に川遊びしよって…それから……んー、気づいたら此処にいた。』
「そう、ありがとう。」
「本当に覚えてねぇんだな。」
「…」
今の状況を工藤君に話し相談した結果、元に戻るまで私達と一緒に住むことになった。アポトキシンの解毒剤と同じ工程で作ったはずだから、すぐに元に戻るとは思う。
私はAさんが、何処まで覚えているのか確認していた。
『オレ今は105歳なんよね？なら、孫とかおるんかなー？』
「あぁ、そう言えばお孫さんと曾孫さんがいるって…。」
『会ってみたい！』
「…Aさんのスマホ使っていいかしら？」
「いいんじゃねぇか？多分、Aさんすぐに元に戻るんだろ？Aさんって毎日連絡してるみたいだし、しばらくまともに話せないことは言っといた方がいいだろ。」
「そうね。」
私がAさんのスマホに手を伸ばそうとすると誰かからの着信。スマホの画面には『諭吉』と出ている。
「あ、確か孫ってその人だったと思うぞ！」
「…出るわよ。」
スマホを耳に当てる。
「もしもし？お爺様？」
聞こえてくる低い声。
「あ、あのっ。」
「っ、誰だ？」
画面の向こう側からでも分かるくらいの殺気が伝わってきた。冷や汗が流れる。
「私、灰原哀と言います。その…Aさんが…。」
「…あの馬鹿が何かしたか？」
待って、この人自分のお爺ちゃん馬鹿って言ったわよ。
「とある薬を飲んで心身ともに小さくなりました。数日で元に戻るとは思うんですけど、この事は他言無用でお願いします。」
「…はっぁぁぁ……そうか、すまなかった。今、話せるか？」
「はい、精神年齢は7歳くらいなので貴方の事は覚えていないと思います。でも自分の孫と話したいって…。」
「あの人から聞いたか…とりあえず代わってくれ。」
私は小さいAさんにスマホを渡す。
『これなぁに？』
「電話よ。これで話せるわ。」
『へぇ！100年近く経ったらこんなものが出来るんやね！すごい！
えっと……こんにちは？』
「…はぁぁぁああ………本当に覚えていないのか。」
『うん、ごめんね。
ね！オレ、聞きたいことがあってな！』
「なんだ？」
『オレの嫁さんの名前教えて！』
「………小夜だ。」
『いやったぁあああ！！オレ、ちゃんと小夜ちゃんと結婚しとったァァ！！』
【番外編】＋11年→←番外編【哀ちゃんの解毒剤の試作品を飲んだらもっと若返った。】
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三毛猫 - 面白いです！組織好き！！ (2019年7月23日 18時) (
レス) id: 18b5c09236 (このIDを非表示/違反報告)
猫好き - すみません、ジンが可愛く思えてしまった私は病気なんでしょうか それとも年か！？ (2019年4月13日 23時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
レキ(プロフ) - 死 体 ハ 見 付 カ ッ テ ナ イ 。フラグか？！ (2019年4月10日 6時) (レス) id: c6d49836df (このIDを非表示/違反報告)
咲希(プロフ) - 【朗報】警察学校組生きてた──めっっちゃ面白いです！社長…実のお爺ちゃんを馬鹿とは…いいですよ。もっと言いなさい……。これからも頑張ってください！ (2019年3月30日 4時) (レス) id: cdd9e80849 (このIDを非表示/違反報告)
あかねこ - わ、やっぱり……！ 不運持ちの夢主ちゃんや下級構成員のお話、よく読んでました。 アスパラさんの心中お察しします。途中で終わり残念でしたが、素敵な物語をありがとうございました。 これからも影ながら応援しています。 (2019年3月7日 16時) (レス) id: be00f2b1a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アスパラ | 作成日時：2019年3月3日 23時
