Wi-Fi物語／sha ページ8
メールでの告白って大嫌い。
文面はどうとでも言える。動揺してても笑ってても泣いてても分からない。
断られたらドッキリや冗談に舵を切るバカもいるし。
電波に乗って届く言葉なんて、100倍薄まってしまう。
「あなたのことが好…いや、ずっと前から…いや」
そんなメールで告白をする人の気持ちが分かってしまったのだついに。
嫌いだけど心理はわかるのだ。
「好きです…よし、シンプルイズベスト」
だって恥ずかしいもん。
勇気をだして送信ボタンを押した！ついに押した！
「…うぁぁぁぁ！！」
と、思ったら。
緊張返して欲しい、Wi-Fi切れて重くなって送れない。
「くそう、もう時間ないのに」
それもそのはず、私たちは大学を卒業する寸前。
てかもうした。ほぼした。
離れ離れになる前に。
繋ぎ止めるっていう表現はおかしいけど、言うなら今しかない。
小中、高校で離れてからの大学同じ。幼なじみのシャオロン。
携帯をぽちぽちやって、私が繋ぎ止めたのは幼なじみじゃなくてWi-Fi。
ふられるのこわいな。
「あれ、また切れた！なんで！？」
そこで私は考える。
Wi-Fiは、私の背中を押している？
ビビってないで直接言え、大丈夫お前は強いかわいい超モテると言っている！？
「なるほど、ありがとう」
勝手に後押しされて衝動的に家を出た。
もう君に頼らなくても、私は大丈夫だよ。
そうと決まればカチコミだ。
「お邪魔します」
「来てたん。お前の部屋ちゃうぞぉ、ノックくらいせーや」
開いたドアを2回叩けばハハ、と仰け反って笑う。
「なんの御用ですか」
「あの…」
「んー？」
「特に何も無い」
「なんやそれ」
くそう！Wi-Fiさえあれば、Wi-Fiさえここに居れば言えた今。絶対言えたのに。助言をくれたのに。
「やったらはよ帰って」
「え」
「今から俺が言うこと聞いたら速攻帰れ」
「え」
真剣な眼差しが刺さる。
怖いな。なんだよ。
「あ、愛してる…」
「ぶっっ！！」
「てめえ！！」
色んな意味で、本当に色んな意味で吹き出した。
「メールで言お思ってんけど電波拾わんかったから、ほんでお前来たから、言お思ってて…」
言い訳っぽく訳分からんことを言ってる。
「本気、やから」
「不器用な男だこと」
「うるせえ、顔真っ赤やぞ」
「うるせえな」
まあ言えることはひとつだ。
すべてのWi-Fiに感謝。
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さかなしょこじゅん - 令霊さん» ありがとうございます！！！！！とっても嬉しいです。ぼちぼちまた更新してまいります！！！ (5月7日 21時) (
レス) @page32 id: 2941b15b39 (このIDを非表示/違反報告)
令霊(プロフ) - 前作のしきからずっと大好きな作品です。気が向いた時にでものんびり更新してくださると嬉しいです。 (5月5日 23時) (レス) @page11 id: 3183f8a143 (このIDを非表示/違反報告)
さかなしょこじゅん - 田中さん» 思った以上に想像で補って頂けて嬉しいです！笑 分かります、具体的に何がいいかって聞かれるとわかんないんですけどなんかいいですよね。なんか。 (11月24日 7時) (レス) id: 2941b15b39 (このIDを非表示/違反報告)
田中(プロフ) - ciくんのやつで主ちゃんが56されちゃったあとに、スパイが発見されて優秀なコマがひとつ減らされることまでが計画的犯行だったとか、あと数日56すのを待てば助かったのかとか自責の念でciは苛まれて欲しいですね…、そういうの好きです^_^ (11月24日 2時) (レス) @page11 id: d6054e066b (このIDを非表示/違反報告)
さかなしょこじゅん - なんも思いつかねえ (11月21日 0時) (レス) id: 2941b15b39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さかなしょこじゅん | 作成日時：2023年11月11日 0時
