トラウマ／ut ※ ページ32
※人外パロディ
※グロテスク
※胸糞悪い(すごく)
「…………」
「ああ、幼すぎるわオマエは。ちょっと守備範囲ちゃうなあ。もーちょっと、」
「だれだ……おまえは」
その時わたしを抱き上げたのは、妙な雰囲気の大人だった。
確かこのときはまだ5つだったのですこし理性が足りてないし、こわいものなど見たこと無かった。
だからどうしたらこわいことになるのか知らないし。
「質問してええって言ったかな？」
「？」
「動かんでな、腕切ってまうよ」
「やってみろよ！！バー……」
まだばかだったわたしは、本来恐れるべき化け物を前に、不満を叫んだ。
それが純粋だったわたしの遺言であり、落ちた腕と痛みに支配されて泣き叫んでいた、心臓の動きを感じてなお怖かった。
それからわたしはもう、自由でいられなかった。
「オマエが悪いんやで今の。どうしたら、どうなるか、分かった？」
わたしが泣いても化け物は優しくしてくれないで、ただきみの悪い態度で、ケタケタ笑う。
流れる液体がこわくて、化け物の足元に視線を下ろして、震えながら泣いた。
そいつの足、しめった地面、倒れた体勢、神社の鳥居、その景色が焼き付いてしまった。
それで、化け物はわたしをそれ以上どうすることもなくどこかに消えた。
その顔が美しかったので、わたしの記憶にははっきりと残らず、あとで助けてくれた大人たちに何度質問をされても答えられるのは「ツノの生えためがね」ということしか出来なかった。
わたしの利き腕はなくなった。
15になった今思えば、失うのが早くてよかったとも思う。
傷口から呪われて30までに死ぬという話も、5歳のころから聞いていたから、辛くはない。
生も死もよく分からんがきんちょにそんなこと教えないでおくれよ、とも思う。
まあわたしに不自由は無い。
助けてくれる恋人はいつだって私のそばだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 108人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さかなしょこじゅん - 令霊さん» ありがとうございます！！！！！とっても嬉しいです。ぼちぼちまた更新してまいります！！！ (5月7日 21時) (
レス) @page32 id: 2941b15b39 (このIDを非表示/違反報告)
令霊(プロフ) - 前作のしきからずっと大好きな作品です。気が向いた時にでものんびり更新してくださると嬉しいです。 (5月5日 23時) (レス) @page11 id: 3183f8a143 (このIDを非表示/違反報告)
さかなしょこじゅん - 田中さん» 思った以上に想像で補って頂けて嬉しいです！笑 分かります、具体的に何がいいかって聞かれるとわかんないんですけどなんかいいですよね。なんか。 (11月24日 7時) (レス) id: 2941b15b39 (このIDを非表示/違反報告)
田中(プロフ) - ciくんのやつで主ちゃんが56されちゃったあとに、スパイが発見されて優秀なコマがひとつ減らされることまでが計画的犯行だったとか、あと数日56すのを待てば助かったのかとか自責の念でciは苛まれて欲しいですね…、そういうの好きです^_^ (11月24日 2時) (レス) @page11 id: d6054e066b (このIDを非表示/違反報告)
さかなしょこじゅん - なんも思いつかねえ (11月21日 0時) (レス) id: 2941b15b39 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さかなしょこじゅん | 作成日時：2023年11月11日 0時
