たしょうエンジェル／rbr ※ ページ31
もう何もしないで生きていたかったよー
年中の時婚約して、小学二年生くらいまで定期的に、2日おきくらいに結婚の話をして、そっからは覚えてない。いつの間にかいなかった。
お別れならきっと思い切り泣いたはずなのに。
悲しすぎて、覚えていては死んでしまうと体が勝手に消した思い出なのかな。
どうして教えられていないことを、そんなに大切にしているんだろう。誰も、誰も夢を諦めろなんて言わなかったぞ。
息できないとき、思い出すのは、ちゃんと覚えていないといけない人で安心した。取引先のヒトとか、上司、部下はすぐ出てこなくていい。
「もう疲れたやろ」
ええ、疲れました。
あの時の純粋や大人になる不安と期待、上書きされただけで消えたんじゃないはず。
でも子供の私なら、道端の花に水をあげて回るような女の子だったのに。子供の頃育てた花に足をかけてつまずいている気分だ。
「なら、もうやめん？」
やめられるの？普通の人間のまま。
学校出たら就職して、安定したお給料を得る暗黙の了解をすり抜けてやめられるの？
「会いに来てくれたんだね」
「もちろんや、かわいいAのためだからなあ」
「結婚するんだもんね」
「こっちは振り向かんでな」
後ろからロボロくんの声がするから、誰かがどれだけ似てる声を出しても、私はわかるよ。
振り向かなくたってわかる。
それでね、助けに来てくれたんだってわかる。
昨日とか、少し前からもう何もわからなくなって、頭おかしくなって、ヒトの声や音が頭に入ってこなくなったわけだけど、ロボロくんの優しい声なら私はわかるから、機械でも生き物でもないようなロボロくんの言葉がすっと入ってくるんだよ。
「可哀想に、助けてやるからな」
自炊しなかったからまだ新品くらい銀に光った包丁が、後ろのロボロくんの回された手にあって、私のお腹に刺さった。
いいのかな。
美人でも優しくもない私の最期がこんなに幸せでいいのかな。いいのか。私きっと不幸だったんだ。
どんな言葉をかけたら喜んでくれるのかギリギリで考えて、絞り出したのはとってもありきたりなものだった。
「ありがとう、」
それが自分の身に染みた。
私が私を認めてくれた気がして、笑いかけるロボロくんが霞んでいった。
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さかなしょこじゅん - 令霊さん» ありがとうございます！！！！！とっても嬉しいです。ぼちぼちまた更新してまいります！！！ (5月7日 21時) (
レス) @page32 id: 2941b15b39 (このIDを非表示/違反報告)
令霊(プロフ) - 前作のしきからずっと大好きな作品です。気が向いた時にでものんびり更新してくださると嬉しいです。 (5月5日 23時) (レス) @page11 id: 3183f8a143 (このIDを非表示/違反報告)
さかなしょこじゅん - 田中さん» 思った以上に想像で補って頂けて嬉しいです！笑 分かります、具体的に何がいいかって聞かれるとわかんないんですけどなんかいいですよね。なんか。 (11月24日 7時) (レス) id: 2941b15b39 (このIDを非表示/違反報告)
田中(プロフ) - ciくんのやつで主ちゃんが56されちゃったあとに、スパイが発見されて優秀なコマがひとつ減らされることまでが計画的犯行だったとか、あと数日56すのを待てば助かったのかとか自責の念でciは苛まれて欲しいですね…、そういうの好きです^_^ (11月24日 2時) (レス) @page11 id: d6054e066b (このIDを非表示/違反報告)
さかなしょこじゅん - なんも思いつかねえ (11月21日 0時) (レス) id: 2941b15b39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さかなしょこじゅん | 作成日時：2023年11月11日 0時
